こんにちは!東京・府中の「スモールビジネス専門税理士」天野です
今回は個人事業主として開業する時に出すべき届出について記事にしたいと思います
人によっては出さなくていいものもありますが、主に以下の5つです
・個人事業の開業届出書
・所得税の青色申告承認申請書
・給与支払事務所等の開設届
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
・青色事業専従者給与に関する届出書
個人事業の開業届出書
まずはこれ!
個人事業主として新規に事業を開始する時は「個人事業の開業届出書」を提出する必要があります
開業届出書は「新たに事業を開始しました」という意思を示す届出書
開業届出書を提出することによって、個人事業主としての証明になりますし、次に説明する「所得税の青色申告承認申請書」を提出できるようになります
また届出書を銀行に持っていくことで屋号入りの銀行口座を開設できるので、取引先からの信頼度も高まる可能性もありますよ
提出期限は、開業日から1ヶ月以内なので忘れずに提出するようにしましょう
所得税の青色申告承認申請書
開業届出書と一緒に提出したいのが、この「所得税の青色申告承認申請書」です
この申請書は、青色申告をしたい方が提出する申請書
提出していないと自動的に白色申告になります
では青色申告をすると何がいいの?という話ですが、青色申告をすると税金面で有利な特典を受けることができるようになります
※どのような特典を受けられるか?などについては別で記事にしてるのでこちらをご覧ください
白色申告よりも提出する書類も多く帳簿もつける必要があるため白色申告に比べて複雑にはなりますが、税制面での優遇を考えると提出することをオススメします
提出期限は、開業初年度は開業日から2ヶ月以内、白色申告で確定申告をしていて来年から青色申告にしたいという方は、その年の3月15日までとなります
開業初年度は開業届と同時に提出、白色申告をしていた人は前年の確定申告と同時に提出と覚えておけば出し忘れも防げますよ
給与支払事務所等の開設届
事業主が従業員を雇って給与を支払う場合には、この「給与支払事務所等の開設届」を提出します
では、なぜこの届出書を提出する必要があるのか?というと、「源泉徴収制度」というものがあるからなんです
源泉徴収制度とは、従業員の給与から従業員が支払う源泉所得税を預かって、事業主が代わりに納付する制度
この届出書を提出することによって、税務署から納付書が送られてくるようになります
預かった源泉所得税をその納付書で納付するという仕組みになってるんですね
提出期限は、従業員を雇うようになってから1ヶ月以内なので、忘れず提出するようにしましょう
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
うーん、申請書名が長いですね
この申請書は、源泉所得税の納期の特例を受けたい時に提出する申請書です
特例があるということは、原則もあるんですね
給与から預かった源泉所得税は毎月支給月の翌月10日までに納付するというのが原則です
例えば、1月に支給した給与から差し引いた源泉所得税は2月10までに納付することになります
でも毎月、納付書を書いて納付するのって面倒ですよね
そこで、従業員が10人未満の小規模な事業主であれば年2回、つまり半年に1回の納付でいいよ!というのが納期の特例です
1月~6月までの源泉所得税は7月10日、7月~12月までの源泉所得税は1月20日までに納付すればオッケーです
この納期の特例を受けたいです!っていう申請をするのが「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です
これは特に期限はありませんが、提出した日の翌月に支給する給与からこの特例が適用されます
従業員が少ない場合、毎月少額の源泉所得税を納付するのは面倒ですし、半年分でもそんなに高額にはならないので提出することをオススメします
青色事業専従者給与に関する届出書
こちらの届出書は、家族(同じ財布で生活している方)に対して給与を支払いたい場合に提出するものです
原則、家族(奥さんとか)に対する給与は経費になりません
時々これを知らずに奥さんへ給与を支払って、経費に計上している方を見かけますが注意が必要です
では、なぜ経費にできないのか?
それは外から見たら、同じ家の中でお父さんのお財布からお母さんのお財布にお金が移動しただけだから
お金が外に出ていっていないのに経費が増えるということになってしまうからなんですね
しかし実際、家族経営している方は奥さんも一緒に仕事をしている方もいます!
なので事前にこの届出書を提出することで、家族に対する給与も経費に認めてあげましょうということです
ただし、条件があります!
これは奥様が専従者(この仕事にのみ従事している者)でなくてはいけません
つまり他で働いていたらダメということなんですね
提出期限は、専従者給与を経費にしようとする年の3月15日までとなります
前年の確定申告と同時に提出すると覚えておきましょう
まとめ
思ったよりかなり長くなってしまいました
「個人事業の開業届出書」は全員が提出する
「所得税の青色申告承認申請書」はなるべく提出した方がいい
「給与支払事務所等の開設届」と「源泉所得税の納期の特例に関する申請書」は人を雇う場合に提出する
「青色事業専従者給与に関する申請書」は家族に給与を支払いたい場合に提出する
ということですね
ほとんどの方は上の2つだけで大丈夫です
後の3つは状況に応じて追加で提出すればオッケー
個人事業として開業した場合には、期限があるものもあるので出し忘れがないように注意が必要です!
では、また