アラフィフヨーガ講師ダイスケ。
子供の頃のように、
自由に遊ぶことを忘れかけた
おじさん達へ捧げる。
現代を生きる僕たち人間は、
ホモ・サピエンス（知恵ある人）と
呼ばれている。
だが、どうだろう。
その知恵によって文明は発達し、
物質的に豊かになったにも関わらず、
争いも差別もいじめも、
一向に減らない。
ストレス、生活習慣病、肥満、うつ、
自己免疫疾患も増えている。
おかしくないか？
知恵があるはずなのに。
何かが足りない。
何かを忘れてしまっている。
オランダの歴史家、
ヨハン・ホイジンガは、
人間とは「ホモ・ルーデンス（遊ぶ人）」
と定義する。
僕たちは、
遊ぶことを忘れてしまっていたのだ。
ホイジンガは、
遊びとは自由で自発的であること、
それ自体が目的であることだという。
接待ゴルフや、お金や称賛のために
やるスポーツやゲームは、
もはや遊びではない。
子供が、公園でブランコや鉄棒をやったり、
昔ならメンコや缶蹴り、鬼ごっこをやったりして、
その時は必死で追いかけたり逃げたりするが、
夕飯の時間になれば、すっかり忘れて解散する。
純粋に、それ自体を楽しむことが、
遊びである。
なぜこの話をしたのかというと、
遊びこそが、ヨーガの本質だからだ。
ヨーガの目的は色々ある。
例えば、健康、ダイエット、美容の目的とした、
柔軟性や筋力を強化し、
引き締まった美しい身体を創ること。
身体の進化成長を目的として、
難しいアーサナにチャレンジしていくこと。
メンタルヘルス、セルフケアを目的とした、
ストレス低減、リラクゼーション的アプローチ。
究極の目的として、
心の働きを止滅させ、神人合一し、
輪廻から解脱すること。
これらいずれかを目的として、
ほとんどの人が取り組んでいるし、
僕はこの全てを目的としている。
だが、これらのことを叶えるためには、
その目的を一旦手放し、
ヨーガをやること自体を目的とするのだ。
身体と心というおもちゃで、
全力で遊ぶのだ。
初期のガンプラのように硬くて、
思ったように動かない
身体を無理せず楽せず、動かす。
動物や賢者、戦士、神のポーズをとり、
それに成り切る。
できるか、できないかではない。
ただ無我夢中で取り組む。
身体というおもちゃの素晴らしいところは、
ガンプラと違って進化する。
あ、でも最近のガンプラは可動域がかなり
広がったね。ガンプラも進化しているな。
ダイエットや難しいアーサナの完成など、
未来への目的にばかりフォーカスしていれば、
なかなか変わらないことにうんざりしたり、
あるいは無理してやってしまって、
怪我をすることもある。
まあ、それもいいのだが。
それよりも毎日毎日、
どこまで動くかな、
どうすればもう少し深まるかなと、
ゲーム感覚でそれ自体を楽しみつつ、
そのアーサナから生まれる身体感覚や
呼吸を味わい、夢中でやっていれば、
結果として、自然と可動域が広がり、
容姿も変わり、身体は羽根が生えたように、
どんどん軽く楽になっていく。
ヨーガの真の目的は、
自分自身（肉体、心、他人や物に対する執着や嫌悪）
から自由になること。
このままじゃいけない、
もっと先へ、もっと上へ、
という欲望と、
なんでうまくできないんだ、
なんでこんなに自分はダメなんだという、
嫌悪から自由になることで、
真の安らぎが生まれ、
無条件の歓喜が溢れ出てくる。
矛盾するようだが、
何らかの目的意識によって、
ヨーガをやれば、
執着と嫌悪の苦しみに苛まれ、
むしろそこから遠ざかっていくのだ。
ヨーガの考え方では、
この3次元肉体世界は、
神々のリーラ（遊戯）であるという。
僕たちの本質は、
完全なる至高の存在、神であり、
神が人間というアバターを使い、
この世で四苦八苦しながら、
乗り越えていくというゲームをしている
という考えである。
思考感情は、肉体にくっついているので、
生きている以上なくならない。
だから、いろんなことに四苦八苦する。
それと死ぬまで付き合っていくしかない。
だが、思考感情肉体は、僕たちの本質ではない。
本質へ戻れば、そこから自由になることが
できる。
僕たちの本質とは、
存在（サット）、純粋意識（チット）、
歓喜（アーナンダ）、
サッチダーナンダである。
身体で遊べ。
感情で遊べ。
仕事を遊べ。
世界を遊べ。
神のリーラ（遊戯）を遊べ。
今この瞬間を
全身全霊で遊べ。
おじさん達よ、
ヨーガは身体と心と、スピリットを
進化向上させる素晴らしいツールだ。
だが、そんなことを目的とせず、
ヨーガそのものを全力で楽しめ！！
ヨーガをやることを手段とせず、
それ自体を目的とせよ。
結果は知らん。
だが、そのことが、
肉体、心、スピリットにおいて、
最善の結果をもたらすことを、
僕は経験と直感で知る。
