この前アメンバーの方と少し話してたことがあったのでブログに書いておこうと思います。



 アイヒマンって知ってます?もしくはアドルフ=アイヒマン。

知ってたらかなりマニアックですわ。このアイヒマンユダヤ人600万人の虐殺を実際に指揮した人物なんです。



実は俺、彼に興味があって大学時代に研究をしてました。

大学時代の研究テーマは中国の農業について研究してたんですがこっちも併用して研究してました。

まあ大学なんてものは自分のやりたいことをやるところだし、自由奔放に生きてました。



アイヒマン万歳!ってわけではありません。600万人の人間を冷酷に殺した彼。

なぜ彼はこれができてしまったのか?俺だったら絶対、私だったら絶対できない?

みなさんそうお思いになると思います。でもこの研究をした人物がアメリカエール大学の

スタンレー=ミルグラム教授がなさっています。その話は最後の方にするとして・・・



アイヒマンの紹介からしていきます。アドルフ=アイヒマンどこにでもいる普通の少年でした。

アイヒマンは母親の寵愛を受けて育ちますが、リンツに引っ越してきて2年最愛の母がなくなります。

再婚した母親はアイヒマンに厳しくあたり、アイヒマンは引っ込み思案な青年に成長していきます。



13歳の時リンツの実科学校に進学します。リンツでも有名な進学高で

この学校17年前にアドルフ=ヒトラーが在学していたことでも知られています。

ただ、彼の成績は振るわず留年!留年したことで2歳年下の弟エミールと同じ学年になります。

弟のエミールは優秀で、アイヒマンはショックを受け学校を変わります。


変わった学校でも成績は振るわず父親に呼ばれ学校を退学させられてしまいます。

その後鉱山で働きますが3か月で閉山。父の会社でセールスマンになりますが。

引っ込み思案なアイヒマンには向いているはずもなく・・・平凡な日々が過ぎて行きます。



1932年3月メルツェンケラーのビヤホールでのちにナチスの親衛隊大将になる

エルンスト=カルテンブルナーと出会います。ここで誘いを受けてナチスに入党することになります。

そして親衛隊に入党します。彼はナチスに入党していながら我が闘争を生涯一度も読んだことがなかったとか。

ということは彼はナチスに思想ではなく力を求めていたということになります。



ナチスの高官たちはおちこぼれ集団だったようです。

ヒトラー(総統)は売れない画家、ゲッペルス(宣伝相)は売れない小説家

ヒムラー(親衛隊長官)は養鶏場主・・・まあ落ちこぼれ集団ですわ。

なぜ彼らは力を持ったのか!?俺はそこに興味を持ったわけです。



彼は勤勉な仕事ぶりが認められ軍曹にまで昇進します。

彼は国家公安本部に勤務。ハイドリッヒの下で働きます。

彼には学歴がなく孤立していた。そんな彼が昇進していくには、

人の嫌がる仕事を進んでするしかなかったようです。



その甲斐もあり少尉にまで昇進したかれは少しでも多くのユダヤ人の命を救おうと

ユダヤ人を強制収容所に送るのではなく国外に強制移住させる方法を取ります。

マダガスカル強制移住の提案をしたのもアイヒマンですがこの案は通らなかったらしく

ヒトラーから捕らえたユダヤ人はすべて抹殺せよという命令が下ってしまいます。




捕らえたユダヤ人は強制収容所に送られ銃殺刑にあいました。

ただこれを行った親衛隊員の精神がおかしくなったりと問題も多かったようです。

そこで考え出された方法が毒殺です。シャワー室に似せたガス室を作り

ユダヤ人を招き入れチクロンBという毒ガスで殺す方法が取られます。

死体焼却にもユダヤ人を使い親衛隊員達が女性や子供が死んで行くところを

見ることがなくなります。こうして多くのユダヤ人が殺されていきます。

これが有名なアウシュビッツ強制収容所です。




連合国との和平を結ぼうとしたヒムラーは計画の中止をアイヒマンに命令しますが、

アイヒマンは命令を無視しユダヤ人を殺し続けます。もう誰も彼を止めれなくなっていたようです。




ベルリン陥落後、彼はアルゼンチンのブエノスアイレスへ逃走。

2年後彼は家族をブエノスアイレスへと呼び寄せたことによって身元がばれ

イスラエルの秘密警察モサドによって逮捕されます。

イスラエルととアルゼンチンの間には犯罪人の受け渡し条約が結ばれておらず

国際法を犯した誘拐拉致作戦でしか彼を逮捕することができなかったようですが・・・

死刑が廃止されているイスラエルでの裁判でしたが彼に下った判決は絞首刑でした。




ってなわけでアイヒマンの説明は終わりでアイヒマン実験のお話です。

アメリカのエール大学で行われた実験でその趣旨は人間が権威に服従するかというかという実験です。



この場合研究者という権威にいかに服従(従うか)するかという実験です。

至って普通の男女40名ずつがこの実験に参加しています。



内容は、実験に参加するものの前で部屋の男に電気ショックを与える電極板を取り付けます。

そして参加者がクイズを出し外れると電気ショックを与え、間違えるごとに電圧を上げていくという実験です。

みんな最初は心配そうに大丈夫ですか?って聞きますが、研究者は続けてくださいと言います。

そして彼らは続けていきます。



みんな途中でやめるだろうと思われていたこの実験なんと男女とも26人が最高の値450ボルトまで到達!

そして苦痛を与え続けた35%の参加者が男に苦痛を与えて笑ったそうです。

さてみなさんはどこまでやりますか?俺はたぶん最後までやってしまいそうです。



この実験から人間の中にある正義感というものは権威をもった人間の前では崩れ去ってしまう。

政府レベルの権力が、どれだけ多くの人々に服従させる力を持っているかいうことが恐ろしく思える。

という言葉をスタンレー=ミルグラム教授は残しています。