福岡県ユースリーグ2部B、八幡高校-福岡講倫館高校 | 写真家・久冨大のフットボール日誌

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選手権の二次予選まで1ヶ月を切った。今回は2年連続で二次予選に進出した八幡高校(以下、八幡)を取材する為、県ユースリーグの試合に足を運んだ。

対戦相手の福岡講倫館高校(以下、講倫館)は7月に行われた一次予選で敗退した為、既に1、2年生で新しいチームがスタートしている。
試合前の段階では、取材する八幡の対戦相手としか私は考えていなかったが、この考えを覆されることになる。

【前半戦】
前半5分、右サイドから講倫館がペナルティーエリアに切り込み、後ろにボールを下げたところに走り込んできた選手がシュートを放った。GK樋室尭也は逆を突かれたが、足でセーブしてピンチを逃れる。

14分、講倫館は梶山 恭平がGKが前に出ていたのを見逃さず、ロングシュートでネットを揺らし先制に成功する。

仲間から祝福を受ける梶山 恭平No.9

先制を許した八幡は19分、右サイドから折り返したボールを逆サイドで受けた酒井 大吾がボレーシュートを放つがバーを叩く。
その直後、左サイドからの展開に曽我部 蓮が合わせるが、バーを超え得点に至らない。

シュート直後の曽我部 蓮

前半の中盤頃から八幡もチャンスを作るようになったが、講倫館も攻めの姿勢は変わらずチャンスを作る。
39分、右サイドから攻め込み、後方から駆け上がった平川 幹久にパスが渡ると、そのままペナルティーエリアに侵入、角度のない位置がらシュートを放った。GKの正面ではあったが、キャッチできず、コーナーキックとなった。

平川 幹久

講倫館が1点をリードし、前半を折り返す。

【後半戦】
後半1分、講倫館が立ち上がりの隙を突き、伊藤 雄大のゴールでリードを広げる。




ゴール直後の伊藤 雄大No.6

リードを広げられて八幡は相手からのプレッシャーではなく、自分たちのミスでリズムを崩し、流れを掴めない。

このまま勝負がつくかと思われたが17分、左から曽我部 蓮が蹴ったコーナーキックが直接ゴールに吸い込まれ1点を返す。

この1点で勢いに乗った八幡は24分、隈本 晃生がペナルティーエリアの外から、豪快なシュートをゴールに突き刺して同点とすると、その直後、再び隈本 晃生がループシュートでゴールを決めて逆転に成功する。

熊本 晃生No.4のゴールを喜ぶ八幡イレブン

しかし、27分に川淵 剛のゴールで講倫館があっさり同点に追いつく。

ゲームも終盤に差し掛かり、お互いに決勝点を必死に狙う。
同点ゴールの直後に講倫館は八幡のバイタルエリアに侵入したが、八幡DFが必死にブロックして失点を防いだ。

37分、八幡は左サイドからフリーキックで放り込み、一度クリアーされるが再び放り込み、逆サイドにいた選手がヘッドで落としたボールを小森 拓弥が胸でトラップし、GKの頭上を超えるシュートで勝ち越しに成功する。


勝負は決まったかに思われたが40分、講倫館は左サイドから攻撃を展開し、ペナルティーエリアでパスを受けた選手がシュートを放った。バーに弾かれたかに見えたが、ゴールラインを割ったと判定され、またも同点となる。

42分、講倫館は平野 拓哉が抜け出し、冷静にゴールに流し込んで逆転に成功する。

平野 拓哉No.10

僅かな残り時間も八幡は最後まで得点を狙うがタイムアップ、講倫館が5−4と乱打戦を制した。


【コメント】

八幡高校、熊本 晃生キャプテン


Q:試合を振り返って下さい。

A:後半はいい形で得点できたけど、失点は逆転して取られて、逆転してとられて、同じ様な形で、守備の部分で課題が残りました。

Q:前半が特に苦しい展開でしたが、その部分については?

A:相手からのプレスがかかって、それでも繋げば良かったのですが、自分たちが蹴ってしまって相手に主導権を握られてしましました。

Q:選手権まで1ヶ月を切りました。先ほど少し触れましたが、改めて課題を教えてください。

A:攻撃の形もしっかり作れていないので、そこも完成させないといけないけど、まずは守備をしっかり作って行きたいと思います。


講倫館高校、梶山 恭平キャプテン


Q:試合を振り返って下さい。

A:最初に2点を決めて、安心してた部分がありました。
シーソーゲームで、最後は逆転できたけど、守備の課題が残ったので、そこを見直さなければいけないのと、戻る時の総力が足りていないので、直して行けたら良いなと思ってます。

Q:ペナルティーエリア外から、積極的にシュートを打っていましたが、あの位置からのシュートには自信がありますか?

A:今までは、あまりシュートを打てていなかったので、ゴールが見えたら打つとイメージを持ってプレーしました。

Q:7月の選手権の一次予選では敗退してしまいましたが、新チームは一次予選を突破する自信はありますか?

A:先輩たちは県大会(二次予選)ベスト8を目標にしていたので、それを達成できるように頑張ります。


平野 拓哉選手


Q:決勝ゴールを振り返って下さい。

A:逆転する為に絶対に決めないといけない場面で、少しボールが足下に着かなかったので焦った部分もありましたが、決めれたので良かったです。

Q:まだ新チームになって間がありませんが、このチームをどう感じますか?

A:今回のチームは絶対に県大会(二次予選)に行くと全員が思ってることだし、自分も試合に出させてもらって悔しい想いをして、このチームでは絶対に悔しい想いをしたくないので頑張ります。


【写真家の独り言】
八幡は、選手権に向けて課題が浮き彫りとなる良い機会だったと前向きに捉えるべきだろう。

講倫館は早く新チームがスタートした分、連携を高める時間は充分にある。攻撃面では優れた能力を持つ選手が多く、これにチームプレーが加われば来年度は恐れられる存在となることは間違いない。

この試合が選手権なら、名勝負として語り継がれるものになっていたかもしれない。

この試合を多くの人に見てもらえたら、どれだけ4強以外の高校サッカーの注目度が上がっただろうかと、考えずにはいられない。
一方で、この名勝負を取材したのは自分1人であることを誇らしくも想う。素晴らしい試合を見せてくれた選手たちに心から感謝したい。