スリランカとの出会い | dahayashのブログ

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昔、川崎の溝の口に、すらさという、スリランカ料理店があった。

スリランカはインドの南にある島国で、インドと同じくカレーを食べるが、インドカレーと違い、油をあまり使わず煮込んで作るものが多い。また、使うスパイスもインドのものと少し違っている。他のお店で食べたことはあったが、すらさはスリランカの家庭料理を謳っていたので、好奇心に駆られて食べた行ったのがきっかけだった。

夜の7時頃だったが、客は自分と妻の二人だけ。テーブルが4つほどの小さいお店で、スリランカ人の男性と年配の日本人女性の2人で切り盛りしていた。それまでにスリランカカレーを食べたことはあったが、詳しくはなかったので、おすすめセットをお願いすることにした。

「少し時間がかかりますが、大丈夫ですか?」

と聞かれたが、特に用事もなかったので、

「大丈夫です」

 

と答えて待つことにした。店内にはスリラン関係の本が何冊かあったが、正直それまでスリランカという国は知っていたものの、紅茶とゾウくらいでほとんど知らないに等しかった。

また店内には民族衣装を来て、踊っている写真も飾られていて、聞くと、店主はキャンディアンダンスという伝統舞踊の踊り手で、国から表彰されるほどの有名人だった。

20分くらいして、カレーが運ばれてきた。大皿の真ん中にご飯が盛られ、その周りに2種類のカレーと、惣菜がもられていたが、これはスリランカの定番スタイルで、初めは一つずつ食べながら、最後は全部ぐちゃまぜにして食べるらしい。

カレーの1つ目は、インド料理でもよく使われるダル豆をココナツミルクで煮込んだ、パリップというカレーで、日本でいう所の味噌汁のようなもので、パリップが上手にできないと、いいお嫁さんになれないと言われているらしい。

2つ目はエビのカレーで、こちらもココナツミルクベースに、ホールスパイスとハーブが入っている。

どちらも共通していたのが、ココナツミルクをふんだんに使っていることと、トマトを使っていないこと、そして油を使っていないことだ。

インドでは北も南も大抵トマトを使うが、スリランカではカレーにトマトを使うことはあまりないらしい。そして、スパイスや玉ねぎを油で炒めず、煮込んで作る調理法が多いので、さらっとしていて食べやすい。

そして、インドカレーにはない独特のコクがある。その正体は、モルジブフィッシュという、鰹節のように乾燥させた魚の削ったものが入っているそうだ。

強烈なインパクトはないが、優しい味でクセになるし、日本人にも食べやすいと思う。

食後に調理をしていたスリランカ人の男性がきて、色々な話ができた。彼は日本に10年近く住んでいて、日本語も流暢に話せるが、何よりさりげない動作が日本人に近く、非常に親近感を感じた。

これが自分とスリランカを結ぶ最初の出会いになるとは、その時は全く想像もしていなかった。