ヒロト 「1.2.3!2.2.3!3.2.3!」
ブン! ブン!ブン!
ヒロトの掛け声に合わせて金属バットを持って素振りをする野球部員達。
チーム全員での素振りが終わると外野手はアメリカンノック、内野手はキャッチャーの防具をつけて強い打球をキャッチする練習、投手陣はブルペンでの投球練習である。
「お願いします!!!」
左手に外野手用のグラブをはめ、レフトの位置に立って大きな声を出すリュウ。
顧問の先生 「行くぞ!」
カキーン!
先生が打ったと同時にセンターの位置に走り出すリュウ。
パスッ!
リュウは余裕でボールに追いつき、グラブでキャッチした。
後輩A 「さすが岡田先輩、余裕でボールをキャッチしましたね!」
トウマ 「リュウさんは足も速いし、守備も上手いからあれぐらいの打球なら余裕だよ。」
順番待ちをしながらリュウのアメリカンノックを見ている後輩部員達。
トモヤ 「ぬぅん!」
ビジュン!バシィィン!
中学生離れした速さのストレートを投げるトモヤ。
後輩捕手A 「トモヤさん、ナイスピッチングです!」
ビジュッ!パシッ
トモヤ 「ありがとうな!次はスライダー行くぞ!」
後輩捕手から投げ返された球をグラブで取りながら話すトモヤ。
後輩捕手A 「はい!」
ショウ 「・・・・・・。」
ビジュン!ググッ!パスッ!
チェンジアップを投げるショウ。
後輩捕手B 「ショウさん、いいチェンジアップですよ!」
ビジュッ!パシッ!
ショウ 「ありがとう!次はストレート行くよ!」
後輩捕手B 「わかりました!」
12時、午前の守備主体の練習が終わり、部員達は昼食を食べていた。
ヒロト 「なぁリュウ、松井さんと毎晩連絡を取ってるって本当か?」
「本当だよ。レナちゃんと電話するとなんか気持ちが落ち着くし、温かい気持ちになれるんだ。」
ショウ 「お前完全に松井さんに惚れてるんだな。」
トモヤ 「リュウ、お前松井さんをデートに誘わないのか?」
「えっ!?デ・・・デート!?」
ヒロト 「そうだよ!お前松井さんと仲良くなったんだからそろそろデートに誘えよ!」
「確かに・・・でもどうやってデートに誘えばいいのかわかんねぇーよ!なぁショウ、女の子にどうやってデートに誘えばいいか教えてよ!」
ショウ 「えっ!?僕!?」
「頼む!教えてくれ!」
ショウ 「そうだな〜電話中にさりげなくデートに誘うのが一番いいと思うよ。」
「なるほど!ショウ、教えてくれてありがとうな!」
ショウ 「どういたしまして!」
「よし!早速今夜レナちゃんをデートに誘ってみるか!」
その日の夜、リュウは携帯電話でレナに電話を掛けた。
「もしもしレナちゃん?」
レナ 「あっ!ゴンちゃん!どうしたの?」
「あのさ4月17日の創立記念日ってなんか用事ある?」
レナ 「ううん。用事はないよ。」
「じゃあさ・・・・・デートしないか?」
レナ 「デート!?うん!行く行く!」
「えっ!?デートしてくれんの!?」
レナ 「うん!」
「(よっしゃー!デートの誘い上手くいったぞ!)それでレナちゃんはどこ行きたい?」
レナ 「私は〜秋葉原に行きたい!!!」
「秋葉原!?レナちゃん、秋葉原に行きたいのか?」
レナ 「うん!私、ずっと秋葉原に行きたかったの!ゴンちゃん、ダメかな?」
「い・・いや!ダメじゃないよ!じゃあ秋葉原でデートしようか!(おいおい秋葉原って・・・オタクやアニメやアイドルの街じゃねーか!俺、アニメなんて野球アニメしか見ないし、女性アイドルも興味ねーよ!普通デートいえば東京ディズニーランドだろ!)」
レナ 「やったー!!秋葉原だー!やっほー!」
「(まあレナちゃんが喜んでるからいいか。)じゃあ待ち合わせ場所は本八幡駅中央口前で9時に来てね。」
レナ 「りょーかい♪」
二人は電話を切った。
「いよっしゃー!秋葉原は興味が無いけどレナちゃんとのデート楽しみだぜ!」
好きな人をデートに誘うことに成功し、嬉しさのあまりベッドに寝転がって両手でガッツポーズをするリュウであった(笑)
つづく
いいね!も良いけど皆様の"コメント"をお待ちしてます!