「お願いしますーー!!!」
全身をユニフォームに身を包んで外野手用グラブを左手にはめ、センターの位置に立つリュウ。
顧問の先生 「岡田、行くぞ!」
カキーン!
顧問の先生はバットでボールをセンターに打つ。
「オーライ!オーライ!」
リュウは余裕でボールに追いつき、グラブでボールを取ろうとしたが・・・・
ポロッ!
「あれ!?」
何とリュウはエラーしてしまった。
顧問の先生 「どうしたんだ岡田!いつものお前なら余裕で取れるフライだろ!」
「すいません!」
帽子を取って頭を下げるリュウ。
ヒロト 「リュウがエラーするところなんて4年ぶりに見た・・・。」
サードの守備につきリュウがエラーしたのを見て驚くヒロト。
次に行われたフリー打撃練習でも・・・・
ビジュッ!ブン!ビジュッ!ブン!ビジュッ!ガキッ!ビジュッ!ブン!ビジュッ!ガキッ!
空振りや凡打を連発していた。
「ありがとうございました!」
ヘルメットを取って挨拶し、首を傾げながらバッターボックスから出て行くリュウ。
ショウ 「リュウは今日様子が変だな・・・。」
先程までリュウを相手に投げていたショウは何やらリュウの異変を感じていた。
休憩時間、リュウ、ショウ、ヒロト、トモヤは一緒に地べたに座りながらスポーツ飲料を飲んでいた。
ヒロト 「どうしたんだよリュウ。お前今日様子がおかしいぞ。」
トモヤ 「打撃練習では空振りが多いし、守備練習ではエラーしてたし。どこか具合でも悪いのか?」
「いやそういう訳じゃなくて・・・なんか松井さんと会ってから胸がドキドキするんだよな。あとふとした時に松井さんのことを考えちゃうし。」
ショウ 「リュウ、それは恋だよ。」
「えっ・・・・?」
ショウ 「お前は松井レナさんに恋してるんだよ!」
「マジで!俺、恋してんの!?」
ヒロト 「そうだよ!好きな女の子のことを考えて胸がドキドキするのは恋をしている証拠だ!」
「そっか俺・・・松井さんに恋をしてるんだ・・。」
リュウはこの時、初めて恋を知った・・・。
つづく
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