男子生徒A 「誕生日いつ?」
女子生徒A 「彼女いるの?」
男子生徒B 「なぁなぁ、どこから来たの?」
涼太 「えっと・・・・・・・・・。」
人数が多すぎるから質問に答えづらい涼太。
友梨奈 「ちょっとみんな!山田くんが困ってるから質問するのは一人ずつにしようよ!」
男子生徒A 「そうだよな。じゃあ俺から質問していくぞ。」
その後質問攻めが終了し、生徒たちは自分の席戻っていった。
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6時限目、国語の授業
ショウ 「ある日の暮方の事である。一人の下人げにんが、羅生門らしょうもんの下で雨やみを待っていた。」
男子生徒D 「広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗にぬりの剥はげた、大きな円柱まるばしらに、蟋蟀きりぎりすが一匹とまっている。」
現在、国語の授業ではショウと生徒達による芥川龍之介の羅生門のリレー音読が行われていた。
ねる 「何故かと云うと、この二三年、京都には、地震とか辻風つじかぜとか火事とか饑饉とか云う災わざわいがつづいて起った。」
美愉 「そこで洛中らくちゅうのさびれ方は一通りではない。旧記によると、仏像や仏具を打砕いて、その丹にがついたり、金銀の箔はくがついたりした木を、路ばたにつみ重ねて、薪たきぎの料しろに売っていたと云う事である。」
その間にショウは羅生門の重要な部分を黒板に書いていた。
涼太 「あれっ?ヤバイ!」(以下小声)
友梨奈 「どうしたの?山田くん。」
涼太 「俺、赤ペンを家に忘れてきちゃった!」
友梨奈 「ちょっと待ってて。」
友梨奈は筆箱から赤ペンを取り出した。
友梨奈 「はい。私の赤ペン。よかったら使って。」
涼太 「えっ?平手さんいいの?」
友梨奈 「もちろん。何だったらあげてもいいよ。私もう一本持ってるから。」
涼太 「ありがとう!お言葉に甘えて貰っておくね。」
友梨奈 「う・・・・うん//////」
美愉 「平手は完全に山田くんに恋してるね。」
美愉は涼太と友梨奈の様子を見てこう呟いていた。
あっという間に50分の授業が終了し、帰りのホームルームが終わった後、大半の生徒は部活に行くため鞄に荷物を詰め込み始めた。
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友梨奈 「ねぇ・・・山田くん。」
涼太 「何?平手さん。」
友梨奈 「山田くんは部活に入らないの?」
涼太 「俺?俺はサッカー部に入るよ。前の学校でもサッカー部だったし。ところで平手さんは部活に入ってるの?」
友梨奈 「うん。私は女子バスケ部に入ってるの。」
涼太 「ちょっと以外だね!じゃあ俺職員室に行って入部届取ってくるからまたね!」
友梨奈 「うん!ばいばーい。」
涼太の後ろ姿を見送る友梨奈。
友梨奈 「山田くんはサッカー部に入るんだ・・・・・・。」
美愉 「平手~!何、山田くんの後ろ姿を見つめていたの?」
ねる 「もしかしててち、山田くんのことが好きになったんじゃないの?」
友梨奈 「ちょっと!ねるも鈴本もからかわないでよ!ほら鈴本は料理研究部、ねるも科学部があるんだから早く行かないと遅刻するよ!」
ねる 「あっ!誤魔化した!」
美愉 「平手も早く素直になればいいのにね~。」
友梨奈 「う・・・・うるさい!」
三人はそれぞれの部活に向かうため教室をあとにした。
つづく
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