ジョシュアとの再戦 以来のアンディ・ルイスJr.の試合。WBA世界へビー級挑戦者決定戦です。
▼ アンディ・ルイスJr. vs クリス・アレオラ
▼ アンダーカード・ダイジェスト
先にアンダーカードからレビューしますが、メキシコ系アメリカ人の親戚同士のラモスご両人、スタイルの特色が全く違いますが、どちらも優れたボクサーファイタータイプ。ヘススの方はフレーム豊かなサウスポーで、重厚な足取りながら距離感/位置取りに長け、初動の少ないロングのストレートが美しく強力。アベルの方はパンチの強弱/長短の調整に長け、無駄打ちが少なく的確なクリーンエフェクティブヒットで明確な差を付ける。スピードはそれほど無いように見えますが、フィゲロア兄のスイッチやボディワークの先に照準を合わせているので、初動が遅くともトップスピードは速いはずです。今後も注目したいですね。それから、話題の超長身戦士 フンドラ も相変わらずの強さ。改めて見ると身長だけでなく、座高の低さ/足の長さから、そのボディに対しても狙う場所がほとんど無いのに驚きます。この長身からはあり得ないほどのスピードは神経系伝達の速さと身体能力自体の高さを感じますし、尚且つ各ショット正中線と軸を活かし力み無く体躯を梃子使い出来ている所が素晴らしいです。さぁこのボクシングを崩す所を最初に見せてくれるのはどの選手なのでしょうか…。
で、メイン。序盤からダウン、更にはダウンに等しいヒザカク被弾シーンを晒してしまったルイスですが、ちょっとしたパンチでも致命打になりかねないヘビー級で、この剛腕ファイタースタイルを貫いている以上、こうした展開は避けられないものなのかもしれません。その覚悟があるからなのか、ルイスは以降のRも全く引きません。それどころかポイントアウトを図り省エネになっていくアレオラを終始厳しくストーキングし続けます。また、途中肩を負傷した事を隠せなかったアレオラが、痛い素振りをしている時間、ルイスは殺しに行く事なく、アレオラが体勢を整えるまで待っていました。意外なほどにスポーツマンシップも持ち合わせていて、ますます大ファンになった次第です ^ 明らかにポイントも奪い返し、勝利ムードが漂った後半R後も、ルイスはこの体格からは信じられないようなスピードとスタミナで最終回まで手数を出し続けました。こんな時代だからこそ、真っ向から正々堂々と勝負するルイスのボクシングが輝いて見えます。観客大熱狂の12Rでした。
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〇 結果 : ルイス 12R 判定勝利 3-0 ( 117-110、118-109×2 )