ライアン・ガルシア vs カルロス・モラレス | R I N G C H E C K !

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スーパーフェザー級プロスペクト “ キングライ ” ライアン・ガルシア 遂に本格路線への第一歩 …











( ※ 今回もまた デラさんの顔力 )




相手のカルロス・モラレス、 ここまで17勝2敗。 デビュー戦での惜敗を除けば NABAタイトルを争った アルベルト・マチャド との一戦で喫した一敗のみ。 その試合でも中盤から終盤にかけてマチャドを 苦しめ、 幻のダウンまで奪っています。 間違いなく手練れ。





▼ ライアン・ガルシア vs カルロス・モラレス






結果から言うと … ガルシアの判定勝ち … しかし … 酷い判定でした。




ガルシア、 後半は全く主体性の無い受動的ボクサーファイト、 苦し紛れでしかないクリンチワーク、 いずれもリングジェネラルシップに繋がる物ではなく、 評価出来るポイントは無し。 叩き上げの前に心を折られスタミナを奪われるという、 典型的な洗礼の浴び方でした。




序盤こそ いつもの調子で スペック差を見せつけるド派手な展開作りをしていましたが … どれだけのスピード差を見せつけても この相手は下がらないんです … 3Rには早くもスピード慣れしたモラレスの反撃が開始される … 。




ガルシア … メイウェザー、 デラホーヤ、 レナード、 ウィテカーの四人に影響を受けたと自ら語っておりましたが … この日は平均的な北米系黒人ワナビーボクサーにしか見えず … L字ブロックもフットワークも全てが中途半端 … 。




対するモラレス、 メキシカンらしいワイルドな強打を誇りながら、 マチャド戦でも内外位置取りを振り分けていた繊細なフットワークからのポジション取り … この試合でも生きていました。 クリンチ以外の逃げ道を塞ぐ足取りの妙 … 。




そしてガルシアに対して特に有効だったのが、 上体だけを先行させるスウォーミング。 ガッチリとした縦オンガード & 落とした足腰は残したまま上体だけを屈曲させ相手に寄せる → 待ちの相手が餌に喰い付き慌てて手打ちで返してくる所を逆に捕まえる or 強打のカウンターが来れば上体をスッと後方位置に戻して組み立て直す。




最近の中南米系ファイター & 攻撃的ボクサーファイターだけでなく、 ムエマッド上がりのタイ人ボクサーや比嘉選手など含めアジア系ボクサーにも良く見られるこのプレステク、 アウトボクサーの待ち受けや釣り戦術を逆手に取るような小気味良い戦術で、 なるほど北米系やL字ガードとの相性は良いのかもしれません。




判定についてはコメント欄でも紛糾していますが、 大方の意見と私も一緒です。 … どっちが前に出ているとか … 後ろに下がっているとか … 呆 … 。 ファイター贔屓でもアウトボクサー贔屓でもありませんし、 どちらのスタイルも素晴らしいに決まっています。 それを踏まえて、 試合中有効打数が近ければ、 リングジェネラルシップ 「 どちらが主体 ( 主導 ) 的に自らのボクシングを行なえているのか 」 其処に焦点が行くのは当たり前の事です。