エリスランディ・ララ vs ジャレット・ハード | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
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おなじみ ラスベガス ハード・ロック・ホテルでのスーパーウェルター級統一戦。 WBAスーパー & IBOチャンピオンのエリスランディ・ララ ( 左 ) とIBFチャンピオン ジャレット・ハード ! ( 右 ) 真逆のスタイルウォーズとしても楽しみにしていた一戦 ! !






▼ エリスランディ・ララ vs ジャレット・ハード






10cmの身長・フレーム差がリカバリー後にも顕著に現れており、 数値以上に物凄い体格差に見えます。 実際ララはこれまでに経験した事のないような ( カネロ以上の ) プレッシャーを感じたのではないでしょうか。




初回こそ、 先手を打ち これまでの相手とは違うという姿勢を見せたララでしたが、 2R以降はハードのプレスに押されている印象ばかりが残る展開。 時折目の覚めるようなカウンターを放ち、 ハードの前進を止めてはみせますが … それも一瞬の事で、 ハードは驚異的なタフネスを持って多少の被弾は覚悟の様相で距離を詰めて来ます。




ハードは その異形のボクシングに更なる磨きを掛けており、 これまでのフィリーシェルと縦のアームガードを併用し ( 筆者がハードに所望するクロスアームガードに近い所作を取る場面もありつつ ) 前進。 一歩目の前足と同時に高角度で打ち下ろす左フック、 あるいは突き上げる左ショートアッパー、 奥足をナンバ使いで前方にスイッチさせながら放つ右ショートフック、 右ロングアッパーなどは一見ワイルドで無作法なフォームに見え その実 機能的にサウスポーの獲物を追い詰めていくブロー。













アマチュアボクシングの教科書には無いであろう、 肘を固定させ前進する下肢と連動させる独特のフック/アッパー etc … キャリア後半のアズマー・ネルソンや ビクトル・ラバナレス等の変則打法を一瞬思い出してしまいました。 そして、 この打法が 【 ジャレット・ハード 】 という規格外の存在に妙にマッチしています !




それにしても、 らしくないララ。 いくらフィジカル差があろうとも、 ここまで簡単にコーナー・ロープ際に追い詰められ、 ブロッキングに頼らざるを得ない状況に陥るとは … 。 ハードのようなタイプにはガードの上を叩かせる事も厳禁、 初回から迎え討つ事にではなく、 パンチをボディワークで外す事に集中するべきだった事はララも当然分かっているでしょうけど … 実際 目の前にするハードの圧力たるや ララに普段のボクシングをさせないほどの凄まじい物なのでしょうね … 。




そんなララも 6R以降は、 ロー&ワイドで防御壁を張り、 ハードの連打の一発を選び左ストレートのカウンターや左アッパーの印象打をヒットさせます。











会場もヒートアップ ! !




終盤10、 11Rもハードのタフネスが落ちてきた所にヒットを重ねるララでしたが … 最終12Rには ハードが再び強烈な前進と強打でペースを奪い返し、 この局面に来てララを薙ぎ倒すようなフックでダウンも奪う ! ! 立ち上がるララに更なる追い打ちを掛けつつ勝負は判定に持ち込まれましたが … ラストのダウンには さすがのララも心折れたのでは … 。




しかし判定 … 2-1 でしたか ! 今回 私は冷静に見れてなかったのかもしれません … 私はダウンの加点もあり4点差でハードの勝ちと私的採点しておりました。




ハードのボクシングは正当的な技術体系からは やや外れていますので、 評価され辛い部分もあるのかもしれませんが … このスタイルをもってララというトップアマ上がりの世界王者を完全に封じ込めた訳ですから … ハードのボクシングは間違いなく本物です。




シーンの中核を担うヒーローというよりは、 ダークヒーローといった趣きですが ^ ( 個人的にはそういう存在の方が好きだったりします ) 今回の試合で IBF、 WBA、 IBO の三冠世界王者となった事で、 その特異な存在感は更に増していく事でしょう。





▼ ジャレット・ハード / トレーニング






最後に ↑ 言っているそばから マーベルのヒーローみたいなカラフルなウェアでジムワークをこなすハードの映像です … 経験豊富なトレーナー陣に囲まれ、 意外にも質実剛健なジムワークを行っています。 なんとも良い雰囲気のトレーニング映像ですな … 今後もスーパーウェルター級の統一に向かうであろうハードに要注目です ! !