ニコリノ・ローチェ  -  “ イントカブレ ” | R I N G C H E C K !

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打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
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ニコリノ・ローチェ


( 1939年9月2日 - 2005年9月8日 )

第19代WBA世界スーパーライト級王者。

その卓越したディフェンス技術は、

“ イントカブレ ” ( スペイン語で 「 触れられない 」 の意、

英語なら “ アンタッチャブル ” ) と形容された。

生涯戦績 136戦 117勝(14KO) 4敗 14分 1無効試合







▼ ニコリノ・ローチェ  -  “ イントカブレ ”








云わずもがな 偉大なチャンピオンであり、 当時としては世界最高峰のディフェンスマスターです。 改めて 試合動画を幾つか見ていると攻防分離型の選手だった事が分かります。 様々なボディワークをこなし、その名の通りのアンタッチャブルなスタイルから、 アウトボクサーの お手本のようなイメージがあるかもしれませんが、 その軸はインサイド/アウトサイドへの前方ヘッドスリップ。 バックステップやスウェーもするのですが、 基本は前方にシフトウェイトしながらヘッドスリップ、 もしくはウィービング等、前進移動中心のボディワーク。





この時代を経て攻防一体の形に進化して行ったと考えると、 極端な事を言ってしまえば、 その後タイソン等に繋がる系譜の一つと捉えてもおかしくない。






▼ 藤猛 vs ニコリノ・ローチェ







この1968年のWBAスーパーライト級世界タイトルマッチ、 藤猛さんのハンマー・パンチがここまで空転したのは後にも先にも この試合だけでしょう。 まさにローチェのディフェンススキルが心ゆくまで堪能出来る試合になっています。 L字ブロックからのショルダーロール/フィリーシェル、ヘッドスリップ&ステップイン、ゼロ距離からのブロック&リターン、同時打ちカウンター、左リードのジャブとフック、あるいはレバーショットへの同タイミングでの使い分けなど、1968年当時としては信じられないような高いレベルのボクシングスキル … 結末は … まさかの 「 ノー・マス ! 」 今で言えばロマチェンコ勝ちです ^ この年代にもスキルだけで参ったさせるという試合があったというだけでも驚きです。





勿論当時からアマチュアボクシングにもプロボクシングにもヘッドスリップ、 ダッキング、 ウィービング、 ボビング、 スウェーバックなど伝統的/基本的なボディワークスキルはあった訳ですが、 それをプロとして “ 魅せる ” 段階にまで昇華させてみせた功績は大きいのかな、 と思います。 いやはや 非常に興味深い内容 … 今の選手にこそ見て欲しい映像です。 本日は、 偉大なチャンピオンのスキルが堪能出来る動画のご紹介でした。