スイセンの香り | 北国のスイセン栽培日記

北国のスイセン栽培日記

水仙図鑑 のように使ってもらえるような感じを目指しています。

昨日は時折雪が舞う中、久々のテニスでした。

久々だからダメダメだろうと思ったら案外調子が良くて、「さすが俺様!!」などとつけあがっていたところ、練習終わるころには足は小鹿のようにガクガクするし、コップを持つ手も今日はプルプルと震え・・・

 

さて、先日、ブログのコメントに「白い水仙で良い香りのものはないですか」とのお問い合わせをいただきました。結論を言えば「アクタエア」をお勧めしますが、白一色となると、なかなか難しいかもしれません。

昨年導入した「シルバーチャイムス」という品種は強い芳香があるらしいですが、未確認・・・。

 

スイセンの香りについては、前からやって見たかったテーマだったので、今回、それについて特集してみます。

 

※なお、香りの区分については、「太田花き花の生活研究所 香りの提案」というのを参考にしました。

 

★ヒヤシンス・ジャスミン様の香り

フサザキスイセン(タゼッタ)、クチベニスイセン(ポエティカス)がこの区分になりそうです。

ニホンスイセンには、ヒヤシンスやジャスミンだけでなく、ロウバイに含まれる香りの成分も多いとのことで、言われてみれば独特の心地よい香りがありますね。

ゼラニウム」もヒヤシンス様の強い芳香を持ち、「ニコロデオン」、「アクロポリス」、「チャーフルネス」なども同系列の香りです。

クチベニスイセン(ポエティカス)も香水の原料として重要ですが、ヒヤシンスに加えてモクレンやクロモジのような、もう少しキリっとした印象があります。

市販されているクチベニスイセンの仲間は、「アクタエア」、「レカーバス」などがあります。

 

【ニホンスイセン】

【ニコロデオン】

【ゼラニウム】

【アクロポリス】

【アクタエア】

【クチベニスイセンの原種の一つ N.poeticus helenicus

 

★フェノリック・グリーンの香り

スイセンの「香り」というより、「ニオイ」という視点で、しばしば物議を醸す事があり、「トイレ臭」、「猫の尿的な・動物的な」、「アンモニア臭」などと言われる場合があります。

これは「インドール」という、ジャスミンにも含まれる成分によるもので、含有量が多いと動物的になるそうです。どんなに良い香りも、度を過ぎると良くないという事か・・・

ペーパーホワイトガリルタリアなど、これらは清楚な美しさが人気の品種ですが、いずれもニオイが苦手という人がいるのも事実です。ちなみに私は全然オッケー!

【ペーパーホワイト】

【タリア】

【ペーパーホワイトの近縁種】

 

★シナモン・バニラの香り

シナモン、バニラ、クローブなど、スパイス様の香りを持つもの。他のスイセンとは違う、個性的な香りを持つものという感じでしょうか。例えば「アステュート」は、バニラのような甘い香りがあります。

【アステュート】

 

★シトラスの香り

オレンジピールのような柑橘系の香り。キズイセン(黄水仙、ジョンキラ水仙、ジョンクイラ)やその近縁種に特徴的な香りで、これらのスイセンは香水の原料として今でも栽培されています。

花壇用として人気の高い「スイートネス」、「ピピット」など、ジョンクイル系交配の多くが爽やかな香りを持っていますが、香りは黄色い品種の方が強いように思います。

【キズイセンと呼ばれる N.jonquilla

 

★スミレの香り

フレグラントローズは、スミレの香りに区分されるそうですが、言われればまあそうかも。

自分ではラズベリーとか、バラの香りのように感じますが、いずれにしてもスイセンでは珍しい香りです。

【フレグラントローズ】

 

★フローラル・フェノリックの香り

フローラルな中に、薬品や樹脂のような臭いを感じるもので、カビやホコリ、土の匂いと表現もできそうです。ラッパスイセンとか大部分のスイセンは、この系統の香りじゃないかと思います。例えるなら牡丹に近いかも知れない。

 

 

以上、如何でしたでしょうか。

香りの表現を考えていると、まるでソムリエ気どりか!と突っ込みたくなりますね。

(そのうち「ウニの香りにサンダルウッドがどーたらで・・・」とか言い出しそう(笑))

 

スイセンは、殆ど全てに何かしら香りを感じるものですが、含有する成分やその量の違いで随分印象が変わりますし、また、それを芳香と感じるか悪臭と感じるかも、人によって違うでしょう。

実際に店頭や公園で咲いている花を見つけて、自分好みの香りを探すのも楽しいと思います。