無名の巨匠・吉六さんのワンコ紹介の2番目は、JR東神奈川駅の至近で暮らす犬たちをご紹介します。これは巨大な狛犬像です。雄犬の蹲踞の姿勢のままで足の爪先から頭のてっぺんまで2m以上は軽くありましょう。わたしが今までにみた吉六狛犬としても最大ですが、他のすべてを含んでも最大級の大きさです。この熊野神社自体はいわゆる「村社」であって、地元の氏神様を担っているようなところなので、それほど大きな神社ではありませんが、狛犬に関して言えば、おそらく神奈川県では最大級のデカさです。なので、なんでここにこれほどまでに巨大な犬を置く必要があったのかは謎ですが、たぶん願主が相当な成功者か大大名だったのかもしれません。


誕生は江戸・嘉永年間となっていますので約170歳になる大ワンコで、寄る年波には勝てず相当に痛みがきています。しかし、ご丁寧にもそれを修復されているのですが、これが何とも大雑把なコンクリートの厚化粧で甚だ可哀相な状況になってしまっているのが残念でなりません。このような「文化財」にはもっと慎重な修復方法を採って貰いたですね。

で、このワンコ達もさすがに吉六さんの犬だけあって、とにかくその造形の凝っていること凝っていること!サイズが大きい分、作業がし易かったことは容易に想像が出来ますが、その「透き方」の巧みさと言ったら口を開けてしばし呆然としてしまうほどです。


とくに小犬の尻回りなどの彫り込みは惚れ惚れする出来で、ついついこの可愛いお尻をなでなでしてしまいます。

台座の裏側には「天保十二年」と寄贈年が彫られていました。西暦にすると1850年頃になります。

「石工 鶴見橋 飯嶋吉六」の刻印がまだハッキリと読み取れました。この犬たちがいる場所はJR東神奈川駅のすぐそばですから、ぜひお通り掛かりの際は途中下車をしてもご覧になることをお薦めいたします。
生息地:神奈川県横浜市神奈川区東神奈川1-1
熊野神社の巨大狛犬の評価
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★★(圧倒的な大きさゆえ、誰もが平伏すでありましょう)
●狛犬としての個性度 ★★★★(この大きさは個性になるほどの大きさだと思います)
●癒され指数 ★★★(子の表情などは可愛いのですが、あまりにでかくて癒されない)
●思わず笑っちゃう度 ーーー
●奉納日 天保12年(1850年ごろ)
●作者名 飯嶋吉六
●撮影機材 Panasonic FZ-30