神奈川の北東部を歩いていると、強烈に出来の良い狛犬をしばしば見かけます。そして、その狛犬の台座の裏側の端っこにはまるで判で押したように決まって「飯島吉六(キチロク)」という作者の銘が刻まれているのです。
飯島吉六って一体どんな人?気になりますネェ・・・。しかし、この人は一人ではないようで、私が見たもので最も古いのは江戸中期、最新(?)のものは明治の中頃までのものがあり、また作風もぜんぜん違っていたりすることもしばしばです。なので、世襲かあるいはお弟子の襲名かで少なくとも七代くらいは続いたのではないかと推測される石工さんです。
拙ブログの第8、9、10回の3回連続で横浜の鶴見や綱島に居る”吉六わんこ”をご紹介して来ましたが、また新たに吉六さんの作品を発見できたので、しばらくは吉六犬をご紹介していきましょう。やはり最初はまたまた横浜市鶴見区の「末吉神社」で発見した吉六ワンコから再スタートいたしましょう。

一見してすばらしい彫刻作品と見えてしまうのが、ここ末吉神社に棲み付いている狛犬です。背中を丸めて精悍に来訪者を威嚇する姿がとても印象的です。制作年も天保3年という古さですが、保存状態も最高レベルでコケや腐食の一片も見あたりません。
天保3年って今から190年近くも大昔のことですが、ちょうどこの時期に北斎が「富嶽三十六景」を完成させています。東海道にも極々近いこの神社あたりからも北斎は富士山を眺めたかもしれません。富嶽三十六景はもちろん、この狛犬も非常に芸術性の高い作品で吉六さんがいかに水準の高い石工さんであったかが瞬時にわかります。天保文化が花開こうとするまさに上げ潮時の狛犬です。
昔も今も神社の境内は子供達の絶好の遊び場です、そんな子供達をこの二頭が遊んで怪我などしないよう優しく見守ってきてくれたんですね。この上の写真をよ~く見ると屋根の千鳥破風の手前両再度に「逆立ちワンコ」が一対遊んでいたんですね。この絵を撮っているときには子供達ばかりに視点が行ってしまい、現場では気付きませんでした。

誕生後190年を経過しているにも拘わらず、保存状態は最高レベルです!

狛犬としては珍しく、どちらが阿でどちらが吽なのかハッキリしません。(笑)

狛犬の周りには、いつでも子供達が遊んでいました。
生息地:神奈川県横浜市鶴見区上末吉4-14-14
末吉神社の狛犬の感想
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★★(180年近くも子供達を護ってきたんだから満点が当然と・・・・)
●狛犬としての個性度 ★★★★(この背丸は他で見たことがありません、作者の卓越したセンスに)
●癒され指数 ★★★★(とってもボクの個人的な理由でここまで芸術性が高いとかなり癒されます)
●思わず笑っちゃう度 0(ここではマジメ一本の鑑賞の仕方で笑いはナシです)
●奉納日 天保3壬辰年12月吉日(1832年)
●作者名 飯島吉六
●撮影機材 京セラAF230 (50mm/f1.8) プレスト