「音響設計」 といふ聞き慣れない言葉がラジオから流れる。
音響設計家の豊田泰久氏、67歳。 今朝のラジオ、明日への言葉から。
クラシック音楽のコンサートホール、といへば条件反射的に昔の上野文化会館しか知らない。
サントリーホールの写真を見ると、その斬新な設計デザインの美しさに目を奪われてしまふ。
ラジオでは30歳代でサントリーホール設計を手がけた、と聞いて俄然耳を欹(そばだ)てた。
ビジュアルのファクターも座席のレイアウト設計に必要らしい。
サントリーホールのHPを開いてみると、カラヤン、佐伯敬三などの昔の名前と顔が浮かんでくる、
ベルリンの壁が崩壊した翌年のこと、、。家内とブランデンブルグ門方面からとことこ歩いていたらフィルハーモニーがあった。チケットがあるかなと、中に入ってみたら、ごっつい体格の係員が来て、既に開演中だからとやんわりとブロックされた。傍らには、いかにも田舎から来たような老夫婦が首を振っていた懐かしい思い出。
そのホールの常任指揮者、カラヤンとサントリーの親分佐伯敬三が提唱した基本設計は
「ともかくいい音の出るホールを」、それだけだとのこと。
ホールの設計には、材料と建物内での音響反射など数字では表すことの出来ない多くの要素が組み合わさっている。5年の歳月をかけて完成しても、ホールで実際に音を出してもらわなければ確認のしようがない。
リハーサルには、アマチュア・オーケストラでマーラーの8番が演奏された。
この選曲は、ちょっと間違いだったと豊田氏は語る。
何故ならば、日本のオーケストラはこのような革新的な構造のホールに慣れていないから、バランスのとれたハーモニーができない。
その点、こうしたホールに慣れているベル・フィルはリハーサルでも一発で素晴らしい音が出るといふ。
日本のオーケストラでは、数年かかってこれぞと満足のいく音が出るようになったと語る。
音響設計の分野では、世界的に超有名人とのこと。
私みたいな、アマチュア以下のペーペーには別世界だが、憧れの世界でもある。
40年以上設計に携わってきた豊田氏
ハンブルク1100、 ベルリン600