私にとって真剣になって歩く日が3ヶ月に1回やってくる。
その日は検診があり、病院まで自分一人で白杖を使って歩行するのだ。
じゃあ普段はどうしているかというと、盲導犬の相棒バディの誘導で歩いたり、家族や同行ヘルパーさんの助けをもらって歩いている。
そんな時は自分で道を探して歩く必要がないので、本当に気楽に歩いている。
私が真剣になって歩くようになったその病院だが、通い始めた頃はまだ視覚障害者2級だった。
見え具合はというと、緑内障による視野欠損でまだら状態ではあったが、見えている部分ははっきりと見えていたんだ。
だからまだ歩くことにそれほど怖さを感じることはなかったように記憶している。
まぁ強いて言えば、慎重に白杖で探って歩くのは、階段を降りる時ぐらいだったと思う。
でも流石に視覚障害者1級になると、霧の中で物を見る感覚となってしまった。
それもまだ視野が残っている左目の外側だけなんだ。
だから自分から見て前方から右側は全く見えなくなてしまった。
今は家族に近くの駅まで車で送ってもらい、そこから地下鉄で通っている。
下車する駅は二つの線が交わる駅なので、乗り継ぎ客でいつも賑わっている。
だからホームから地上へ上がるのも気を使ってしまう。
でも外へ出てからの方がもっと大変だ。
今は視野が減っているので、進行方向右側にある病院が入っているビルの入り口を探すのが難儀になった。
今の所まだなんとか自分で行けているが、あとどれぐらい自分で行けるかな?
私が通っている病院は待合室があまり広くなく、その上いつも混んでいるので、相棒バディを待機させる場所の確保が難しく、連れて行きづらい環境なんだ。
まあ自分一人で行くのが困難と感じたその時が来たら、どうするかをまた考えよう。
バディは家で家族に見ていてもらう事になると思うので、多分同行ヘルパーさんに助けてもらう事になるんだろうな。
今はその日が来ない事を祈っているしかないな。