僕は盲導犬3年生のバディ。 足が長く、瞳が綺麗で、小顔のイケメンとよく言われる。


全日本盲導犬使用者の会は2024年で創立30周年になり、そのイベントの一つとして、東京の山手線沿線を一周するという企画があったんだ。

参加した会員は山手線を6つに分けられたコースに割り振られて、各々はその決められた区間をグループのメンバー達と一緒に歩くんだ。


この企画では普段視覚障害者と一緒に絆を持って伴走してくれている東京バンバンクラブのメンバーが協力してくれて、僕たちにとっては本当に心強かったよ。


各グループにはコースを誘導してくれる数名のバンバンクラブのメンバーがいて、盲導犬ユーザーには1人づつに手引き誘導してくれるボランティアがついて歩いてくれたんだ。


僕が入ったのは、田町から目黒までの区間を歩くグループで、盲導犬は僕を入れて7頭だった。


長い夏の間、僕は外が暑すぎてあまり歩く事が出来ず運動不足だったんだ。

涼しくなってからは体力作りをしたけど、今回の行程を歩き切る事が出来るか少し不安だったんだよ。

でも沿線にある神社や駅や和菓子屋さんや公園にも立ち寄って、そこで休憩が取れたので、全く歩き疲れる事はなかったよ。それに1時間程のおっっさん達のランチタイムにも休憩が取れたしね。


ウォーキングの間は、みんなが隊列を組んで一列になって歩いたんだ。

みんなはそれぞれ歩く速度が異なっていたけど、どうも僕はスポーツカー並み、それもポルシェクラスの並外れた速さだったらしい。


僕は意識的にみんなから少し遅れて歩き出しても、すぐに前に追いついてしまうんだ。

僕は遅く歩く事がすごく苦手で、渋滞気味になると、もうイライラしてしまい、右へ左へと追い越すスペースを探して一気に抜いていくんだ。


今回おっさんについて終日誘導してくれた人は石黒謙吾さんで、盲導犬クィールの本を書いた有名な人だったんだって。

その人も僕の性格を途中から理解してくれて、追い抜くタイミングに合わせて、ちゃんとおっさんを誘導してくれたので歩きやすかったよ。

僕は新しい道が大好きなので、楽しかったなー。

石黒さん有難うございました。

また機会があったら一緒に歩いてね。