僕は盲導犬3年生のバディ。
足が長く、瞳が綺麗で、小顔のイケメンとよく言われる。
僕は盲導犬協会で開かれた入学式に参列したんだ。
この日協会にはパピーウォーカーさんのところで約1年間過ごした犬たちが、訓練犬候補生として協会に戻ってきたんだ。
僕は訓練を卒業して盲導犬になった先輩として、おっさんは現役盲導犬ユーザーとして初めての参列だった。
僕にとっては入学式懐かしかったなぁ。
きっと僕もあんなふうだったんだなぁ。
訓練犬候補生はまだ何も盲導犬になるための訓練を受けていないので、みんな何かおっとりしていたよ。
それにクンクンと言って甘えていたよ。
でもこれから盲導犬の責任感を持って、ユーザーを案内出来るようになるから心配ないよ。
だって僕でも盲導犬になったんだから。
入学式に参列したおっさんは5分間ほどのスピーチ原稿が覚えきれず、スマホに原稿を入れて、ボイスオーバー機能を使って、楽をしていたよ。
あれはインチキだと思うなぁ。
式が終わって、パピーウォーカーさんたちと訓練犬候補生は一階まで移動して、そこで訓練士さんへ引き渡しとなった。
パピーウォーカーさんたちが訓練士さんへリードを渡すんだよ。
そして訓練士さんたちは盲導犬候補生と一緒に犬舎へ向かうんだ。
訓練犬候補生はパピーウォーカーさんとの別れを惜しんで、振り向いたり、何か寂しそうな仕草をするかなぁと見ていたが、全くそのような仕草を見せずに犬舎へ向かっていたよ。
本当に偉いなあ。
僕はどうだったかなぁ。恥ずかしくてちょっと言えないなぁ。