僕は盲導犬1年生のバディ。みんなから足が長くて、小顔でイケメンとよく言われる。
ぼくはこの前、自分でトイレまで行ったんだよ。すごいでしょ!
盲導犬は、排泄する時、ワンツーベルトと呼ばれるベルトにビニール袋をつけてするんだ。
僕はオスなので、オシッコとウンチで、ベルトを変えるんだ。
外出前には、必ずするよ。
僕のパートナーとなったおっさんとはまだ一緒に生活を始めて4ヶ月程度。
だからまだ僕が出すシグナルは、完全には理解してくれていない。
その日は、おっさんが名古屋総合リハビリセンターで訓練があった。
訓練が終わり、おっさんは僕をそこの多目的トイレへ連れていって、オシッコをさせてくれた。
僕はオシッコをする時、左の後ろ足を高く上げて勢いよくする場合と、右の後ろ足を低く上げてチョロチョロする場合があるんだ。
ハッキリ目が見えないおっさんは僕の身体の傾き具合でオシッコだけの時と、オシッコの後にウンチもするというパターンが分かってきたようなのだ。
その時は、僕が左の後足を大きく上げたので、ウンチは無いと思ったらしい。
それで、僕はおっさんと一緒に地下鉄のホームへ向かった。
地下鉄の改札口へ向かう途中に、多目的トイレがあることは、前に2回使った事があって、僕は覚えていた。
恥ずかしい話だけど、急に便意をもよおしたので、改札口へ向かっていたけど、そこで右に大きく折れてスロープを登って左へ折れて、トイレの前で止まった。
おっさんは、僕が大きく右へ曲がった時に、「えー、うそ!うんち?」と呟きながら、ついてきてドアを開けてくれた。
それから、半信半疑で、排泄ベルトを付けてくれた。
僕がうんちをすると、唖然として、驚いていた。
自分で多目的トイレまで誘導した僕ってすごくない?
