(現在他ブログからの引っ越しをしていて、やたらエントリーが多いと思われると思いますが、あと数日で落ち着きます。お許しください!)

 

2人目の妊娠?②からの続き



ユリが僕の子を妊娠したと聞いてから数日後、僕は都内某所にあるユリが通院していた不妊治療クリニックに向かいました。


久しぶりに訪れたクリニックは相変わらず大繁盛で、母親になることを夢見る沢山の女性で溢れかえっていました。



このクリニックは基本的に、結婚して籍の入っている夫婦にしか治療を行いません。


だからユリは離婚した後も、ここで治療を受けたいのであれば、僕とまだ結婚していることにしなければならなかったのです。



とりあえず穏便に話が済めばそれに越したことはないと考えた僕は、この日菓子折りを持って受付を訪ね、それを渡しながら、まずはユリが第2子を授かったことに対するお礼を言いました。


妻がお世話になりました、この度はおめでとうございます、ありがとうございます、と、ここまでは順調なやり取り。


さて、ここからが本題だ。


上記のような理由で、離婚していたことがバレると、ユリがその後治療を受けられなくなり、それはそれでさらなるトラブルに発展するかもしれないと思った僕は、面倒を回避するためにとりあえずこうお願いしてみました。


「アメリカで入っている出産保険の関係で書類が必要なんだけれど、ユリがいつどんな方法で妊娠したかを説明する書類を出してもらえますか?」


どう考えてもそんなにおかしなお願いには思えませんでした。


どの病院でどんな治療をしたとしても、保険を適用させるため(あるいは適用になるか調べるため)には、普通いつどんな治療をしたかの明細が出るものです。



ところが、その時は違いました。


何故か急におかしな空気が流れ、受付嬢は顔をこわばらせながら、そういう情報をお渡しすることはできません、と答えました。


「情報がないんですか?」


「いえ、一度奥様にお渡ししてありますので・・・」


「渡したことがあるんなら、そのコピーで結構なんですが」


「できません」


は?


わけがわからない。


「あなたでは話にならないので、院長とお話がしたい」



押し問答に、段々僕もイライラしてきました。



「院長はいません」


「とにかく上の人と話をさせてください」


そう言い続けていたら、総務の責任者の田所さん(仮名)という方が出てきました。


しかし、彼もやはり「情報は渡せません」の一点張りです。


「なぜ渡せないんですか?」


「個人情報だからです」



はぁ??



「個人情報って、それじゃ、私が父親じゃないってことですか? それって、私はユリの妊娠には関係ないってことですよね?」


「いえ、Dragon様がお父様ということで間違いありません」


「それじゃ、治療の明細を出してくださいよ」


「出せません」


話はここでも平行線・・・。



僕の精子が本当に体外受精に使われたかどうか知りたいだけなのに、なんでこんなに頑なに情報開示を拒否するんだ??



僕にはさっぱりわけが分かりませんでした。

 

 

 

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続く

2人目の妊娠?①からの続き


正直、その直後のことというのはよく覚えていません。


ユリには何度も煮え湯を飲まされてきて、もう多少のことではビクともしないと思っていた僕も、「あなたの子」という言葉にはさすがに動揺せずにはいられませんでした。



笑顔で、


「新しい彼女がいるのよね。彼女にも伝えなきゃね。もう一人子供ができるって」


と言うユリに、正直ぞっとしました。



今までのことを考えたら、常識では考えられないことをユリがやったとしても不思議じゃない。


本当なのか? 本当なら、一体どうしたらいいんだ?



実は、ユリがカイトを妊娠した不妊治療クリニックに、離婚後も通い続けていたことは、僕も知っていました。


何故なら、僕がその治療費を払っていたからです。



ユリは僕に言いました。


「更年期障害かもしれないからその治療がしたい。


それに、万一将来再婚したいと思った時に子供が欲しくなったら困るから、卵子を凍結しておきたいの」



ユリに男と女としての愛情は既に全くありませんでしたが、とりもなおさず自分の息子を生んでくれた女性が、具合が悪かったり、将来の幸せを考えたりしたいというのなら、できることは手伝いましょう、と僕はその治療費も善意で負担したのです。


(ユリは僕に、シングルマザーとして生きていくということを強調していたから、それなら助けてあげなければ、と思ったんです)


ということは、つまり



彼女は僕の金でこの2人目の妊娠治療までやったのか??



本当に心が冷え冷えしました。


正直、まともに自分でお金を稼いだことのないユリに、僕がどんな気持ちでお金を出してきているのか、いくら説明したってわからないかもしれない。


でも別に、僕だって金のなる木を持っているわけじゃない。


善意で、良かれと思って、できる限りでやって来ていること。


それをこいつは、一体何だと思っているんだ?



呆然としている僕に向かって、ユリはさらに、


「そういうわけで、この子の分まで養育費をお願いね。


カイトと差がつくのは嫌なの。特に経済的に」


と言い放ちました。



頭がグルグルしました。



一体どうしたらいいのか自分ではわからず、僕はとりあえず周囲に相談することにしました。


そして数日かけて、弁護士や知人と話しているうちに、やっと少し頭が冷えてきました。



嘘つきのユリ。


あいつが僕に、誠実に本当のことを話したことなんかあるか?


嘘つきのあいつの言葉でうろたえていたって仕方ない。


治療をしたクリニックに、事実を確かめたらいいんだ。



こうして僕は、クリニックに向かったのでした。

 

 

 

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続く

 

調停から訴訟へ②からの続き

ユリが妊娠?


一瞬あっけにとられましたが、何か言わないとと思った僕は、とりあえず「おめでとう」と言いました。



(妊娠? 男がいたのか?

まあ、こいつも新しい人生を始めたかったのかな。


だから和解もさっさと済ませようと思ったのか。


それでも僕から3000万取っていくとは、相変わらず強かな奴だなぁ。)



半ば驚き、半ば呆れながら、僕はユリの言葉を聞いていました。



「それで話がしたいんだけど・・・」



まあ、確かに妊娠して再婚するのなら、カイトのこともあるし、話し合いはした方がいいな、と僕も思いました。

取り込み中だったこともあり、僕は細かなことは会ったときに聞くことにして、深く考えずに手短に翌日にランチを一緒に食べる約束をして、電話を切りました。



*********************************************


翌日、ランチにやってきたユリに、僕はとりあえずまたおめでとうを言い、妊娠したということは、付き合っている彼氏がいて、再婚するつもりなのかと尋ねました。



すると彼女は、全く予想もつかないことを言い始めたのです。



「お腹の子はあなたの子なの」



は?



全く意味が分からず、最初は何を言っているんだと思いました。



「お前、ふざけるのも大概にしろよ。俺たちの間に3年以上何もないってことは、お前が一番よくわかっているだろう」



呆れてそう応えると彼女は、



「確かに肉体的には何もないわね。でも、以前にカイトを妊娠した後に、もう1人作るかもしれないからって、あなたの精子を冷凍していたの、覚えてる? それを溶かして使ったの。あなたの子供よ」



と言い出したのです。



まさかそんなこと、あるわけない!


・・・いや、でも絶対にないと言えるんだろうか?


もし本当に、自分がずっと昔に提供した精子が冷凍されていて、それを使って誰かが勝手に子供を作ったら、それは僕の子供になるのか?



僕は言葉が見つからず、話し続けるユリの顔をただ茫然と見つめました。



進みだしたと思った僕の人生が、たった数日でまた大きな壁に突き当たったのを感じながら・・・。

 

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続く