調停から訴訟へ②からの続き
ユリが妊娠?
一瞬あっけにとられましたが、何か言わないとと思った僕は、とりあえず「おめでとう」と言いました。
(妊娠? 男がいたのか?
まあ、こいつも新しい人生を始めたかったのかな。
だから和解もさっさと済ませようと思ったのか。
それでも僕から3000万取っていくとは、相変わらず強かな奴だなぁ。)
半ば驚き、半ば呆れながら、僕はユリの言葉を聞いていました。
「それで話がしたいんだけど・・・」
まあ、確かに妊娠して再婚するのなら、カイトのこともあるし、話し合いはした方がいいな、と僕も思いました。
取り込み中だったこともあり、僕は細かなことは会ったときに聞くことにして、深く考えずに手短に翌日にランチを一緒に食べる約束をして、電話を切りました。
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翌日、ランチにやってきたユリに、僕はとりあえずまたおめでとうを言い、妊娠したということは、付き合っている彼氏がいて、再婚するつもりなのかと尋ねました。
すると彼女は、全く予想もつかないことを言い始めたのです。
「お腹の子はあなたの子なの」
は?
全く意味が分からず、最初は何を言っているんだと思いました。
「お前、ふざけるのも大概にしろよ。俺たちの間に3年以上何もないってことは、お前が一番よくわかっているだろう」
呆れてそう応えると彼女は、
「確かに肉体的には何もないわね。でも、以前にカイトを妊娠した後に、もう1人作るかもしれないからって、あなたの精子を冷凍していたの、覚えてる? それを溶かして使ったの。あなたの子供よ」
と言い出したのです。
まさかそんなこと、あるわけない!
・・・いや、でも絶対にないと言えるんだろうか?
もし本当に、自分がずっと昔に提供した精子が冷凍されていて、それを使って誰かが勝手に子供を作ったら、それは僕の子供になるのか?
僕は言葉が見つからず、話し続けるユリの顔をただ茫然と見つめました。
進みだしたと思った僕の人生が、たった数日でまた大きな壁に突き当たったのを感じながら・・・。
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