イノベーションという言葉の意味をご存じだろうか?


技術革新


日本ではそのように使われることが多い。

誰が訳したのかはしらないが、少し意味合いが違うと思う。


ちなみに中国語では「創新」と訳すようだ。


中小企業には、特に製造業にはイノベーションが必要といろいろなところで言われているが、そこの意味するところは要するに技術開発が必要ということだ。


では革新的な技術とはなんだろうか?


これまでにはない新しい技術を意味するのだろう。


日本の技術開発の歴史を振り返ってみよう。


日本の多くの技術開発は従来ある技術をより高性能にしたり、軽薄短小化することに秀でいたと思う。

もちろんこれとは違うものも多くある。

これまで世になかった新しい価値を創造した技術もある。古くは本多光太郎先生のKS鋼や八木アンテナ、新しいところでは西沢潤一先生の光ファイバーの原理など世の中を変えた画期的な技術もある。


筆者は一番すごいと思う技術開発というか、これはむしろコンセプトを具現化した技術開発であり、それにより世の中のしくみやライフスタイル、後の商品開発に多くの影響を与えたものがある。


ソニーのウォークマンである。


音楽を持ち歩くということを可能とした今までに全くない新しい価値の提案であり、この製品がなければ今日のiPodのビジネスモデルは遅れていたかもしれない。


既存のものを高性能化、高度化することはプロセスの中でのイノベーションであり、ここから新しいものはなかなか生まれない。つまり創新はされないのである。


一方、新たなプロダクトを提供するプロダクトイノベーションは、これまでにない価値を提供するのであるのだから、創新ではないか。


現在の日本には、創新が少ないのではないだろうか。

イノベーションを叫ぶ割には新たな価値を提供することは少ない。


筆者が感じるのはWiiぐらいだろうか。あれはゲーム機に新しい価値を提案して、事実爆発的に売れた。


これまで述べてきたようにイノベーションとは、新たな価値を提供する技術開発のことであり、コンセプトイノベーション、またはそれを具現化するプロダクトイノベーションのことである。


今、プロセスイノベーションから脱却して、いわゆる「創新」を行わなければ日本の製造業の未来は明るくない。


これと関連して、インテグラルとモジュラーの話も今後のビジネスモデルを考える上で重要なので話していきたい。


イノベーションの意味、中国語の方がはるかにその本質を訳している。

前提条件からみると順風にみえるが、ここにいくつもの落とし穴があることにお気づきだろうか?


この企業、20世紀なら問題なく儲かったでしょう。

しかし、今の時代に即したビジネスモデルを持っていないのfです。


まず、前提1について


一見、すんげーと思う技術を開発したように思うが、従来技術の延長線上にしかない。

確かに既存技術を向上させることは非常に重要であり必要なことである。

コストダウンや性能向上などに結びつくであろう。

日本の企業が得意としてきた「磨き上げ」である。


しかし、磨き上げでリードできる時間がそう長くない時代になっていることを認識してもらいたい。

技術大国日本というのは、既存技術の延長線上で見事な真価を発揮してきたが、かつての日本と同じようなことが台湾やその他の国々で安いコストであっという間に追いついてくる。


いい加減「磨き上げ」技術開発から脱却して、新しい技術概念を創出する方向に研究開発ベクトルを変えなければ国際競争には勝ち残れない。


いくらいい技術であっても、従来型の域を出なければ事業としては

もうからない

のである。


技術進歩から技術創出へと変えていくビジネスモデルが必要となる。

ある製造業を営む中小企業を考えてみよう。
苦節数年にわたり、研究開発した画期的技術が完成したとしよう。
このために投じた研究開発費も相当なものだ。


果たしてこの企業は儲かるのだろうか?


では、こういう前提で考えてみよう。


1.その技術は非常にレベルが高く、これまでの同じ部品の数倍の性能を有するものである。
2.ある大手製品メーカーの主要部品として採用されることが決った。ただし、その製品のみにしか供給されない。
3.その技術に対して特許出願を行っている。
4.製品の販売先は国内に限らず、海外、特に中国も視野にいれたものである。


さあ、こういった条件で技術開発に心血を注ぎこんだ社長は完全に舞い上がっている。



しかし、この会社は実は儲からないのである。


その理由を次回から解き明かしておこう。