夏井本2(最終解答編)の面白さは、その考察のユニークさにある。

IV. ドーパミンから全人類史を読直す。

15. 脳容量は増大したが、そのことが知能発達を招き、文明を発展させたのではない。ヒトの脳の増大は、チンパンジーやボノボと違って、ホモサピは肉食中心の脂質やタンパク質を食したからである。ヒトの脳は500万年かけて1000ml増大したが、石器の進歩には反映しなかった。人口密度が低過ぎて、他の集団と接触する機会がなかった。

16. 脳は、突如目覚めた。74000年前から最終氷河期に入って、さらにスマトラ島のトビ山大噴火により、世界の人口が数千人まで減少し、ヒトは狭い範囲での集団生活を余儀なくされた。

 その結果、ヒトの創作能力を目覚めさせた。新しいモリや衣服が次々と発明されたのである。ヒトのライフスタイルは、寒冷化に伴って動物が大型化したため、採集中心から狩猟生活に変えざるを得なかった。4万5000年前を境に、ヒトの脳は何もしない脳から何でもできる脳へと劇的に変化したのである。神経細胞の配線、シナプスの数が増えた。高度の知能が実現したのである。