小学校生活に異変が起きた。
泣きながら、
私に息子から
電話があった。
泣きすぎて、
何も伝えられなかった。
私は、急いで学校まで車で向かった。
うんていから落ちて、
痛いという言葉を
英語で言えないことがわかり、
通じないという恐怖で
その日からすべてのことを
怯えだした。
毎日不安が続き、
授業にならないので、
とうとう私も一緒に
学校に来て欲しいと
学校側から要望があった。
息子の不安はそれでも収まらず、
周りの友達もみんな離れていき、
いつも泣いてておかしい、
お母さんまで来てるのにと、
批判されだした。
そんな日が続く中、
担任の先生が、私に
英語で書かれた『桃太郎』を渡した。
これを日本語に訳して、
みんなの前で
読むように言われた。
私が日本語で桃太郎を読むと、
みんなきょとんとした顔をして
静かに聞いていた。
読み終えると
今度は、日本語で本の内容について
何か子供たちに質問してと
先生に言われた。
とっさに、
「桃太郎は、どんな食べ物を
もらったでしょう?」
「桃太郎は、どこに行くのでしょうか?」
いくつか質問をした。
何を質問されているかもわからないけれど、
みんな次々と英語で質問に答えた。
すると、先生が言った。
「英語で答えないで、日本語で答えて」と。
みんな答えられず、黙り込んだ。
教室は急に静まりかえった。
そして、先生はみんなに言った。
「みんな、彼の気持ちわかった?
毎日この状況が続いてるんだよ。
何を言ってるかもわからないし、
答えることもできない状況が。」
その日以来、
みんなは、やっと息子の気持ちを理解し、
彼に優しく温かく寄り添うようになった。
私は、帰り、一人で
車の中で号泣した。
先生の優しさで
胸がいっぱいになり、
ただただありがとうって気持ちが
溢れ出てきた。
息子は、それから3か月で
ほとんどコミュニケーションに
困ることなく、英語力が伸び、
友達と仲良く、楽しい学校生活を
送れるようになった。
人は経験してみないと
わからないことがたくさんある。
経験したことしか語れない。
だから、たくさんの経験を
これからもずっと命ある限りしていきたい。
それが、
本当に人を認めることに繋がるから。
