何十年ぶりかで乗った世田谷線の車輌が当たり前のように進化していて面食らったのだけれど、降り立った西太子堂の駅は昔のままのように思われて、手元の地図と、駅のホームの地図を見比べて大体の位置を把握しながら歩き出すと、ほぼ一本道のどんつきが、太子堂八幡神社でした。緑が深くてちょっとトトロの世界観を彷彿とさせる。その神社の手前を右に曲がって少し行くと、目的のギャラリー? sancha teatretto がありました。
タテヨコ企画36.5 sancha tartretto こけら落とし公演 と銘打たれた今回の公演。36.5とは←タテヨコ企画さんのメンバー平均年齢らしいです。
半地下のそこは、だいたい15畳くらいの板の間で、入り口になっていた引き戸…要するにガラス窓から出入りするイメージで、天井に近い場所に、四角い明り取りの窓が小さく開いただけの空間。
下足入れに緑のビニール袋を頂いて座席に案内されました。入り口以外を三方ぐるりとパイプ椅子にお揃いの赤っぽいお座布団が置かれていました。案内された席は3番で、ガラス窓からほぼ対面にあたる席だった。明るくて見晴らしの良い席でした。
芝居前後にタテヨコ企画の横田氏から挨拶もあり、客席数もたぶん、20席前後だからかもしれないけれど、なんとなく和やかな雰囲気の中始まった「太子堂のサーカス」。
昔、川だった所を何らかの理由で潰した所を「暗渠」というらしいのですが、世田谷辺りにも多いらしく、その水脈を辿るような街歩きを「探検」と称して集まったサイト仲間男女4人の織りなす恋愛模様と言うにはみなかなり薹が立っている気もしないではないのですが、その辺がかなりリアルに近い感じもして。
30歳を過ぎたあたりから段々と夢と現実の比率が逆転してくるザラついた感じと、時折顔を覗かせる未知なる世界へのロマンの織りなす先に待っていたもの。と言えば聞こえは良いけれど、それは小さな頃に近くの川で見たはずのカッパの記憶。もしかしたら、それさえも自分の脳内が何かの辛い記憶を消そうとして創りだした幻想世界なのかもしれないと思わせないでもない、なんとも繊細に絡み合った現実と幻想の昭和的な、ノスタルジーを感じた作品でした。
作品としては60分くらいの短いものでしたが、始まって少しして、『お?今回は誰が人外だ?』って思い始めてしまった程に、横田氏の作品はその辺がうまい具合にあやふやで、判断をこちらに投げられている所がとても魅力的に感じられるようでありました。
暗渠にカッパ。そして、氏と名。
そんなもののクロスオーバーして出来上がった昭和ノスタルジー。
お天気によって詳細に演出を変えていた今回の公演。
太子堂の鎮守の森を経由して、是非、観にいって頂いきたかったそんな作品でした。
初見の日はDVDの撮影もされていて、公演後にキャストトークがありました。←それもDVDに含まれるようです。
このDVD¥1800とか、破格のお値段ですよねw
観に行かれなかった方は、DVDで是非。
7/6 10 三軒茶屋 sancha teatretto