田渕くんを初めて生で観たのは、2009年のAxle公演「BananaFish」だったと記憶しているから、正味4年ぶりになる訳です。その間に直也さんのLiveの時に、物販辺りでチラッとお見かけした事はあったのですが、やっぱり、可愛らしい人だなぁという印象でした。
そんな可愛らしい田渕くんが、東京の、しかも「男おいらん」というタイトル通りのお芝居に出演される事が解って、田渕くんの花魁姿(←正しくは、おとこ遊女)が見られるなら~と、日程とお財布具合を調整しながら行って参りました。
あくまでも個人的感想ですので、悪しからず…。
正直、笹塚ファクトリーという小屋には、あまり良い思い出が無いので、チケ取りも、ちょっと躊躇したのですが、それでも座席指定の席にしたら、まぁ、そう書いてあったのですが最前で、ただ椅子のサイズが、普通のパイプ椅子より小さい補助席クラスのもので、1時間50分の芝居が終わる頃には大分体にダメージが残りました。
俗に言う小劇場な「笹塚ファクトリー」
小劇場ならではの手作り感と、終演後は相変わらず劇場の出入り口に関係者しかいないあのごちゃっとした感じはなんだか独特の空間だなぁと思ったりして。
今回も沢山のお花に囲まれた劇場の入り口を中に一歩入ると、チケットもぎってくれる方々もかなりのイケメン揃いで←たぶん、陽炎衆?のみなさんだとおもうのですが最初から、すごい笑顔に迎えられて、こちらがなんだか恐縮してしまいますw
客席通路は半分から前が、赤のスロープ←花道になっていてそのまま舞台上に続いています。
舞台の左右にある柱は黒塗りで、そこに劇中、何度も繰り返される、さながら寺山文学的な詩歌が、金で書かれていて、中央辺りには廓の象徴である赤い格子窓…。
雰囲気はもう間違う事無き廓そのもの。
ストーリーは、主人公の柾木が、売られてきてから、廓を背負って立つまでの葛藤と、廓の中の他のおとこ遊女の話と絡めて書いてあるあたりは、廓モノのよくある話なんです。結構ありきたりの話です。
それをたぶん、3チームの男の子たちの魅力で成り立たせるそんな魅せ方のお芝居でした。
田渕くん演じる飛竜さん。
器量はいいけれど、思っていることをズバっと言ってしまう気の強い子で、後はハートと、お姐さんに釘を刺されていた。
遊女というのは暮らしてゆくにも物入りで、だから掴んだ金蔓はなにがなんでも離さない。あれが欲しいこれが欲しいと言ってはみても、それを本当に届けてくれる程の器量は、今の男にはないかもしれない。そんな不安と抱き合っているようで、気丈にみせていても、飛竜さんからは本当の意味での愛を旦那からはもらえない切なさとか、手練手管を使ってはみても、うまく立ち回れない苛立ちとかを感じずにはいられませんでした。
なによりも、飛竜さんは欲しがってみせる分だけ自分を相手にさらけ出します。赤い襦袢から太腿までさらけ出して、そうやって、自分の体でつなぎ止めておく以外の術が、彼にはないのです。そうやって、やっと欲しかったものを手に入れた時に、彼は彼の中の何かを失ったように見えたのですが、彼は本当はきっとお金では買えない何かを心底では求めているんじゃないかと思うのです、口では金だ!って言って自分を無理矢理に納得させているように見えたのですが。
だって本当は身内思いの良い子←だと思うのです。
生きてる以上、いろんなものを天秤にかけているんだと思うのですが、生きるのが下手な子が随分とこの廓には揃ってしまっているのだなあと、思いながら、切なくもあり、愛しくもあるそんな風に幕は下ろされます。
時間とお財布にもう少しゆとりがあれば、やっぱり3チームとも見てみたくなるそんな作り方の作品ですね。
後、ひと工夫欲しかったとすれば、舞台の香り付け…かな。
好き嫌いのあることなので、むつかしいかとは思うのですが
折角の廓の、おいらんなのだから、少し位、良い香りが漂っても雰囲気が出て良いと思ったのでした。
「男おいらん」
8/22~9/1 笹塚ファクトリー