ディープな食材探しを楽しみたいなら、
ソウルの地下鉄2号線・5号線「乙支路4街駅」近くにある「中部市場」は絶対に外せないスポットです。
乾物などの食材市場として有名なこの場所には、
ごま油や、エゴマ油の専門店がズラリと軒を連ねています。
市場を歩いているだけで、あちこちから香ばしい匂いが漂い、食欲が刺激されます。
夫婦で営むこだわりの名店「忠北精油所」
数ある専門店の中で今回私が足を運んだのは、「忠北精油所」というお店です。
忠清北道出身のご夫婦が上京し、開業したという歴史ある名店。

決して広くはない店内ですが、一歩足を踏み入れると、
ゴマを焙煎するむせ返るほど濃厚で香ばしい匂いが空間いっぱいに充満しており、
これだけで「絶対に美味しい」と確信してしまいます。
ここでは、店内で槐山産の良質なゴマの洗浄から焙煎、
圧搾までの全工程を手作業で行っています。
スーパーで売られているような高温搾油の大量生産品とは異なり、
低温でじっくりと時間をかけて搾油するのがこのお店のこだわり。
この昔ながらの製法により、ゴマ本来の豊かな香り、雑味のないクリアな味、
そして栄養成分がそのまま活きた「プレミアムな油」が生み出されるのです。
自宅に帰り、さっそく買ってきたゴマ油の封を開けてみました。
栓を抜いたその瞬間、今まで嗅いだことのないような、
ふくよかで力強いゴマの香りが部屋中にフワッと広がりました。
普段使っている市販のゴマ油とは、香りの次元が全く違います。
この極上のゴマ油の実力を試すべく、
スーパーで買ってきた特売の安い「カツオのたたき」に合わせてみることにしました。
お皿に盛り付けたカツオに、
塩をパラリと振り、このゴマ油をほんの数滴タラリと垂らしてひと口。
これは凄い。
気になっていた特売品の魚特有の生臭さがゴマの芳醇な香りで完全に消え去り、
赤身の旨味だけがグッと引き立てられています。
まるで高級料亭で出される気の利いた一品料理のように大化けしたのです。
あまりの美味しさに、気づけばあっという間にお皿が空になっていました。
ナムルやビビンバはもちろんですが、
お刺身や冷奴など、
シンプルに「油の味」を楽しむ料理にこそ使ってほしい逸品です。
日本から買えないのが残念です。
