遅ればせながら、三国志13PKをプレイしました。
※画像はコーエー公式
三国志シリーズはこれが初プレイで、三国志の知識は『三国無双2』をやったことがあるくらいで、ほぼ何も知りません。
『信長の野望・創造』はとても面白かったので(といっても批判点はかなりあります。詳しくは前の記事)
この『三国志』シリーズの最新作にも大きな期待があったのですが
プレイしてみた結果
そうそうに飽きてしまった。
ということに……。
……。
何が問題なのかといいますとですね、
前回の『信長の野望』に関する記事で述べたとおり
第一点として、ストラテジーゲームとしては中の下
ということであり(詳細は後述)、そうすると
『三国志』の世界を体験するゲームとして長じていくしかないと思うのですが
第二点として、『三国志』の世界を体験するために必要なことが満たされていない
という欠点があり(これも後述します)、前回の『信長の野望』とまったく同じで
コンセプトは理解できるけど、非常に遊びにくい
という批評が適している結果になったと思います
溜め息が出てしまいます。
まず私のスタンスを申し上げておきますと
歴史的ストラテジーゲームを楽しむ際は、
1、ストラテジーとして深みのある面白さ、幅広いプレイングの余地はあるか
2、その世界に没入できるように設計されているかどうか
ということを注目しております。
ようは基本的なルール部分である「戦略」の幅広さと適切な難易度=緊張感があり、選択によって状況を一変できるような奥深さ
※画像は4gamer様の記事のもの
と、
その時代的人物の一人として、その時代の仕組みに則りつつも、個性を出していけるような、「ロールプレイ」の幅広さ、奥深さ、テキストの量、バランスなど
※画像は電撃オンライン様の記事
この2つが私にとって大事なのです。
そして不完全ではあるとしても、どちらかをある程度満たしているならば、いちおう楽しめる作品として評価してきた私ですが、
この『三国志13PK』はどちらも十分に満たしていない
……と思います。
理由は様々なものがあるのですが
まずAIのレベルの低さ
が挙げられます。
これは『信長の野望』でも同じなのですが
例えば国力が数倍違う敵に、十分な兵力・内政値もないまま戦争を仕掛けようとします。
これは家臣プレイ時によく起こる現象ですね。
こちらでは十分に兵力を整えてから、包囲外交をし、敵戦力を弱体化した上で、戦力を一点に集中し、相手に勝利する、といったプレイをしたいのですが……
AI君主は「戦争をしないと死んでしまう病」にかかっているのか、勝てる見込みもない相手に対し、特攻を仕掛けるように命令してきます。
これ、一応断ることは出来るんですけど、自分以外の全ユニットが出撃することになります。
そうすると結果的にこちらの国力は弱体化してしまいますし、その隙を突かれて背後から攻め寄せられたりしてしまい、ますます窮地に立たされます。
しかも数ヶ月後、完敗した相手に対し、またもや同じ戦略、同じ戦法で挑もうという君主の命令がやって来ます。
ユニットは個々連携して動くわけではなく、先走って自滅する騎馬隊や、後衛を待たずに突出して袋だたきに遭う参謀・総大将など
たとえ十分な準備をしていても負けてしまう要素が盛りだくさんです。
それなのにもかかわらず、数ヶ月後……
君主「○○を攻めたい。××日までに出陣してくれ」
(#^ω^)ビキビキ.......
弱小勢力をもり立てる、というロールプレイはイライラとの戦いになります。
もっとおかしいと思うのは、君主によって戦略方針に変化が見られないこと。
たとえば劉備だろうが劉表だろうがガンガン攻める。成功するかどうかは置いておいて、内政が整わないまま次々と攻略命令が来る。
上杉謙信が大義もないまま他国を食い荒らしたり、武田信玄が全く甲斐から出ていかないのを見るのも、もやもやします。
じゃっかんですが、攻略方針に違いは見られます。基本的に大勢力に史実で滅ぼされていった国は、さっぱり動きませんし、内政も真面目にやりません。
仮想シナリオで国替えしてみると、信長の野望創造では長宗我部家は必ず肥大化します。逆に島津家や武田家は良い土地を用意してあげないと巨大にはなりません。
私は勢力ごとに戦略の個性を付けて欲しいんですよね……それに伴う民忠や武将の忠誠度の上げ下げなど。
たとえば弱小勢力にいる強力な武将。
太史慈。
太史慈は劉繇の配下ですが、敗北したとき割と簡単に孫策側に付いています。
これをゲームでも反映させて欲しいというか、義将特性ありで君主と絆を結んでいる武将以外は、敗北で忠誠値が下がるようにして欲しい。
また度重なる敗北で民心も離れるようにして欲しいです。税率や軍隊の規律によっても民心に影響が出るようにしてくれたらなお良し。
宣戦布告した側に大義があるかどうかでも、民心に影響があるとより良いですね。
三国志13にも信長の野望・大志にも、こういった要素は全くない
残念です。やりがいがない……。
AIが馬鹿なのはもちろん、システムも硬化しきっていて、興がそがれることばかりです。
たとえば、歴史イベント。
三国志の世界に浸ろうと、史実通りに情勢が動いていってくれることを願い、その中で生きる個人をロールプレイしようと思っても
その歴史イベント発生条件がシビアすぎて、途中で必ず歴史通りにはならず
趙雲を得た董卓が各国で暴れ回ったり、強力武将を得た劉表が一大勢力を築いたりと
リセットしたくなる欲求に駆られます。劉備なんか歴史イベントがないとずっと鬱々とした日を過ごすことになりますからね。
そうすると「三国志」の世界を生きる、というゲームプレイが阻まれることになり
自然としてストラテジーゲームとしての『三国志13PK』の世界を遊ぼうとしますが
このレベルがひどい……
まず幅が狭い!
やることと言ったら、
①都市の内政値を上げること
②武将と絆を結ぶこと
③私兵や同志枠を増やすこと
④簡単なおつかいや一騎打ち、舌戦といったミニゲームをこなすこと
くらいしかない。
軍事戦略は、どの方面から攻めるか、といったことぐらいしかなく、どこを攻めても数万の軍勢がわらわらと沸いてくる。
このゲームは電撃的な侵攻や奇襲という概念がない。
伏兵というシステムはあるが、それを狙うのがややシビアであり、そんなことするよりも騎兵を出して包囲した方がいい。
このゲームの評判の悪さに、傷兵の回復の早さが挙げられるが、たった数日で数千人の傷兵が最高度の訓練状態で復帰し、さらにそれに都市の数が倍加されるので、大勢力は倒しても倒してもキリがないという状況になりやすく、歴史ドラマを再現し、弱小勢力をもり立てるロールを楽しむことは不可能。
また歴史イベントの融通のきかなさと、無理矢理さは驚かされる。
たとえば曹操陣営に多数用意されている勢力拡大イベントでは、プレイヤーがいちいち攻略する手間は省け、一瞬で敵の旧領が自分のものになっている。
また有名な「赤壁の戦い」イベントでは、荊州が劉備の領土になるものの、曹操側にはそれ以外のダメージがない。兵力も訓練度も以前と全く変わらず、すぐさま大兵力を動かせる状態にある。
さらに言えば「合肥の戦い」では孫権は大敗北を喫したにもかかわらず、同時に悠々と荊州の劉備を追い立てていたりもする。
勢力拡大イベントでは無条件に領土が拡張するにもかかわらず、遠征失敗イベントではまったく兵力や国力、民心が損なわれないままというのは、興ざめするシステムだ。
家臣プレイでも馬鹿AIに悩まされるが、君主プレイでも歴史イベントの過酷さや、無限の敵軍に悩まされて嫌気が差して来てしまう。
雑魚武将では数万の軍勢などものの数でもないのだが、これが強力武将だと厄介な敵になる。
ただそれが1回しか戦わないなら、十分納得できるし、いかに強大な敵を撃破するかという楽しみも生まれる。
しかし想像すると恐ろしいのだが、3万の張飛・関羽軍を撃破した後に、また3万の張飛・関羽軍が襲いかかってきたらどうなるだろうか。
やる気がなくなる。それだけだ!
これら強力な武将を撃破するためには、細かい戦術を組む必要があって、なかなかの作業量になる。
いくつ劉備軍の城を落としても、やつらは士気マックスで何度も刃向かってくるから、えんえんと同じ作業を強制されることになる。
また仮想シナリオでは、国替えすると、在野武将もほぼすべてバラバラになる(と思われる)。
なので、後の武将構成がトンチンカンな事になってしまい、歴史ストラテジーを遊んでいるつもりがしなくなり、三国志の名前と顔があるだけの、全く仮想の別の世界にいる気になってくる。
そうするとストラテジーゲームとしての貧弱なシステムが露骨に目立つことになる。
まず汎用イベントの発生頻度の高さと、その種類の少なさが目に付く。
私は遊んで2、3時間で「このゲームは同じイベントが多すぎるな」と思い始めた。
これはシステムの作り込みが甘いことを示している。
イベントの種類が少ないということは、同時にゲームシステムもきちんと作り込まれていないということになる。前者を充実させる方が遥かに簡単だからだ。
そういった手間を惜しんでいるようでは、様々な状況を想定したシステム作りなど出来るはずがない。
先述した「プレイの幅の狭さ」も相まって、数時間経つと作業感が非常に強くなってくる。
そこに歴史イベントの無理矢理さと、ロールプレイの不可能な状況が追い打ちをかけるというわけだ。
信長の野望も三国志も、基本は内政値を上げるだけの単純な内政に過ぎず
早瀬の水面のように激しく変化する状況に適した決断が求められる、海外の一流のストラテジーゲームとは時間の充実度が遥かに違う。
戦争という変事以外に、予想が大きく外れるような事態は皆無であり
また達成感も、ただ内政のゲージが上がるだけなので、ほぼ無い。
「三国志」の世界で武将として縦横無尽に駆けめぐりたくても
様々なシステムの制約、バランスの悪さと、作業量の多さにより
頑張った分だけ、虚無感に襲われるという、失った時間を後悔するようなゲーム作品になっている。
それが残念だ。
……。
ごめんなさい。
途中から口調が変わってますが、気が付いたらこんな感じで話してました……
ここが最も言いたかったことなのかもしれませんね。
クソゲーという程ではないのですが、どうしてもう少し頑張れなかったのかな? いい作品になる余地はあるのに。
という残念さがにじみ出る作品ですから、
私も厳しい言葉を投げつけてしまうことになったのかもしれません。
愛という言葉で、自身の批判を繕おうというつもりはないのですが
歴史ストラテジーでロールプレイというのが、とてもやりたかったからこそ
高い期待を裏切られた、そのやるせなさがあったかもしれないですね……。
三国志13PKは、もうあんまりプレイするつもりはないのですが
岩波文庫で『完訳・三国志』を読み始めて、なかなかの面白さにはまっています。
よく見るとおかしな設定があったり、強い武将が活躍するお決まりのパターンが連続することもあるのですが
大筋は史実に沿っているためか、リアリティがあり面白く感じられます。
訳も非常に読みやすいので、『三国志13PK』がきっかけで、この世界に触れることができて本当によかったです。
『完訳・三国志』を読破してしまったら、『三国志13PK』も売っちゃおうかな、と思ってます……(´・ω・`)
それでは長い文章をここまで読んでいただきありがとうございました。










