先週、カナダ・バンクーバーに行ってきました。今回の旅で改めて感じたことをお話ししたいと思います。

 

バンクーバーでは主に公共のバスを利用して移動していました。その中で印象的だったのは、車いすの方が乗車すると、周囲の乗客がすぐに移動し、自然にスペースを作る光景です。お年寄りが乗ってきたときも同様で、誰かがすっと立ち上がり、当たり前のように席を譲る姿を何度も目にしました。

 

日本では、バスや電車で車いすの方を見かけることはそれほど多くありませんが、カナダではとても一般的です。それは、移動時にサポートを受けやすい環境が整っているからかもしれません。人々の意識の高さが、バリアフリーの実現を支えていると感じました。

 

観戦しに行ったアイスホッケーの試合会場にも、車いすの方が多くいらっしゃいました。スポーツ観戦や外出を気兼ねなく楽しめる環境が整っていることに、深く感銘を受けました。

 

一方で、日本の現状について考えさせられることもありました。近年、バリアフリーの設備は確実に進化しており、駅や公共施設にはエレベーターやスロープが設置されるなど、ハード面での改善は進んでいます。しかし、それを支える「人の意識」というソフト面はどうでしょうか。

 

以前、80歳を超える親せきと一緒に電車に乗ったことがあります。その際、席を譲ってくれたのは、行きも帰りも、乗り換えの際も、すべて外国人の方でした。日本人の乗客は、気づかないふりをしているようにさえ見えました。

 

困っている人がいたとき、声をかける、手を差し伸べる。そんな小さな行動が、より良い社会を作るはずです。たとえ設備が完全でなくても、支え合う心があれば多くの問題は解決できるのではないでしょうか。

 

病気や障害があっても、誰もが公平に生きられる社会。その理想を実現するには、まず私たち一人ひとりの意識改革が必要だと感じました。バンクーバーで見た光景を思い出しながら、日本の未来について考え続けていきたいと思います。