これまでも
僕は辛い別れを繰り返してきた
紆余曲折を経て
辿り着いた新居は快適
でも何かが欠けている
香港で暮らす
独居中年の
オサーンの日常
どれほど
いろいろな料理を
作り出して
レストランもどきを演出してみたところで
オサーン一人では
決して作り出せないもの
そう
「花やぎ」である
それを補うべく
そんな「花」を
家に引き入れることを
はじめてみた
とはいえ
一人暮らし歴の長いオサーン
正直、「めんどくさい」キャラである
相手に求めるものは
自己主張しすぎず
あまり手がかからない
口数は少なくていい
そばにいて欲しいとは思うが
変化も欲しい
でも美しく
スタイリッシュなのがいい
何より
この乾いた
オサーンの心を
癒してほしい
そんな超自己チューな
好みに合う「花」は
そうそう都合よくいるわけではないが
それでも
奇跡のような出会いを求めて
僕は街を彷徨う
大抵は夕暮れどき
慌ただしく家路を急ぐ
市井の人々を尻目に
でも出会いは突然にやってくる
目があったときの第一印象でわかる
あぁ
そうだ
今日、僕は君に出会うために
夕暮れの街を彷徨っていたのだ
そうして出会った君との
束の間の生活が始まる
名前すら聞かないこともある
でも構わない
君という存在がこそが重要だ
「名前」などという
人が勝手につけた記号など
どうでもいいのだ
君の存在で
明らかに変わる家の空気
束の間とはいえ
僕は君に
精一杯の愛情を注ぐ
朝目覚めるたびに
変わらず美しい君に
おはようと笑いかける
すると君も静かに微笑み返す
ずっとこの生活が
続けば良いのにと思いつつ
そんな艶やかな君の笑顔を
僕は写真におさめる
なぜなら
この行きずりの出会いには
必ず終わりがあることを
知っているから
やがて君に疲れが見えはじめ
僕のもとを去る時がくる
それはわかっていたこと
出会った時から
だからそんな君を
僕は笑顔で見送る
また「花」のない生活が始まる
が、一度知ってしまった
「花やぎ」のある生活
もはやそれのない生活に
戻ることは不可能といっていい
僕は再び夕暮れの街を彷徨う
新たな行きずりの出会いをもとめて
会うは別れのはじめとなることが
わかっていたとしても
そして
たとえ行きずりであったとしても
そんな君たちと僕の間には
確かに「絆」があったと信じている
今うちにいる君との間にも
オレンジの薔薇
その花言葉は「絆」
え?
だから家に飾ってるお花のことですよ?
華やかになっていいですね🌸
大抵は仕事終わりに
フラワーマーケットに寄って
買うときは
第一印象を大事に😉
その時々で変化をつけて
ちゃんと毎日お水も変えて
大抵名前も知らない花なんですけどね
という家に飾ってるお花のおはなし😝
他に何が?