仕事2.0を読んだ。これ2時間くらい読めるので簡単だ。
全体の論旨は、副業を自分の老後の資産形成の設計のためや、社会人にとっての無形資産の形成のために推奨しているものだ。ライフシフトが示されていることを参考にすると、10年ごとに平均寿命は2年伸びていく。今女性は90歳、男性は84歳だから、今20歳の人は100歳近い’平均寿命の元に生きていくことになるようだ。さらに、日本の若年層は40代に差し掛かると介護なども行わなければならなくなる。今は騎馬戦社会といって要介護者を2人がケアする社会だが、今後は肩車社会になるという。
本書では、政府の施策としての「高度プロフェッショナル制度」や、逆に企業の時間給でのリワード体制の見直し(Yahoo,コニカミノルタ、丸紅など)の働き方改革を通じて、日本がますます自分の市場価値を上げていくことに時間も金も使う「リカレント教育」が重要になると語っている。一環としての副業2.0だ。(副業1.0は低所得者と高所得者の二極化。)
さて、感想だけど、何を今更、という感じが強い。人生が100年あるからそれに対応するというのはこじつけで、むしろ今を普通に生きられる人が少なくなってきているから、飲み会とか行ってないで勉強して金を稼げと言っている訳で、結局は労働派遣社員の増加とSame in the line の労働の自由化ということになるのだろう。
この流れを副業という形で肯定的に捉える流れはいいことだ。モチベーション3.0の名の下により自己実現の文脈に即した自分の作り方がある意味で歓迎されている中で、個人として自律することが幸せに繋がることは確かにそうだ。だが、労働力は産業の趨勢に合わせて正しく分配されなければならない。副業が簡単な産業で副業の流れが加速化しても、それで生計が立てられるようになるのはごく一部だ。もしやるなら、副業を徹底的に受けて側が解放し、専門性を身につけられる次元で、かつ副業が一般的に難しいと言われている産業での受け入れ体制を敷かねば、この流れが社会的にインパクトを残すことはありえないと思う。外国人実習生のことと同じで、結局使い捨ての労働力として当てこまれるのがオチだ。
あと、循環型社会、つまり国富を大きくせずとも自活できる生活の文脈が現在の社会ではなりを潜め始めたなぁとやはり思う。今の時代は、残業抑制とか言いつつ、意識的に自分を追い込んで所得を拡大しなければ生きられない社会になりつつある。そんなうまくいくのかなぁ。面白いなぁ。