映子「絶対に守り抜く――。今日の映画は「天空の蜂」ね」
雨西「最新鋭の巨大ヘリ<ビッグB>。それが何者かに乗っ取られ、ヘリは原子力発電所の上空で静止した。犯人は政府に対して日本全ての原発破棄を要求。命をかけた8時間のカウントダウンが始まる――という話だな」
映子「基本的に東野圭吾原作の映画は外れナシだけど、今作も面白かったわね。すっごくスリリングだったわ」
雨西「原発破棄がテーマがタイムリーだし、各人の思いもいい感じで交錯しててワクワクしたな。こういう小説を20年前に書けるってのはやっぱりすごい」
映子「最新鋭ヘリなのにあんな細工をされるなんて、セキュリティがガバガバすぎるでしょとか、細かくみていけばツッコミどころはあるんだろうけど、それを気にしないですむだけのパワーがある作品ね」
雨西「自衛隊による救出劇も熱かったけど、自分が一番好きなのはラストシーンだな。犯人が最後の声明文を送信する直前で回線が切られるところ。国の隠ぺい体質を皮肉ってる感じがいい」
映子「私は雑賀を逮捕するために、血まみれになりながらも必死で食らいつく刑事さんが印象的ね。落合モトキさんって、けっこう色んな映画に出てる人なのね。名前をしっかり覚えたわ」
雨西「俳優さんの話が出たけど、上手かったのは本木雅弘と綾野剛かね。本木雅弘は言うまでもないし、綾野はいっちゃった演技がいい」
映子「――というわけで、評価としては星3つね。あえて文句をつけるとするなら、<ビッグB>という呼称がダサいって事くらいの良質な映画よ」
雨西「お前はなんで最後に毒を吐くんだ…」