簡単な自己紹介
アラサーの性同一性障害当事者(FTM) 戸籍変更済で、SRSはまだ進めていますが埋没生活を送っています
先日大学の同期たちと会う機会があり、結婚したり子どもがいる人もいて改めて自分の結婚について考えていました。
戸籍変更して、普通に生きている分にはまずGID当事者と見抜かれない人間の婚活ってどう進めるべきか逆に難しくないか?と日々考えています。
私自身が、人に対してグイグイ踏み込める性格ではなく、とにかく自己肯定感も低いのに、結婚願望だけはあるのでどうしようか日々考えています。
パートナーがいる当事者の方はたくさんいますが、治療中も共に歩んでいった相手…ではなく、治療後に出会って結婚した方ってどういう過程を歩んだのでしょうか…
性同一性障害(普通に過ごしてもまずバレないパス度を持っているとする)の人間が結婚を考えるときに、シスジェンダーの方と比べてディスアドバンテージになりやすいことって
- 他者の協力なしで子どもが望めない
- 両親親戚の理解が得られない可能性がある
- 治療による金銭的、身体的なリスクが健常者よりある
このあたりだと思うんですけど、別にこれってGIDの人間に限った話ではないんですよね。
蓋を開けてみたら不妊治療が必要だったということはいくらでもある例ですし
性格や経歴が両親親類から評価が低いこともあるでしょうし
病気や怪我は既に抱えているかもしれないし、いつどうなるか分からないし
それでも、GIDであるということは最初からそのリスクが見えているのが大きいんです。
しかも自分が人生でずっと負い目にしていることをほじくりかえされるかもしれない。
相手に共通の知り合いが多ければ、影でアウティングされるかもしれない。
そして、私はそうやって傷付くことがずっと怖くて、踏み込めば付き合えるんだろうなというチャンスを悉く棒に振ってきました。
恐らく、結婚したいと思っているのも、自分がずっと欲しくてたまらない“普通の人間”としての人生が送れることの証明をしたいのが根幹にあると思います。
生活水準や折り合った生活のできる人と協力すれば、いい生活を目指せるかもしれないという思いもありますが。
このように漠然とした不安を抱えているのは、実態や実例をほとんど知らないのも大いにあると考えています。
戸籍を変えたりせずにトランスジェンダーとして生きている人や、治療前からパートナーになっている人の話はそこそこ見ますが埋没状態からの話はあまり見かけないなと。
取り上げるほどの苦労は意外と少ないのか、単純に見つけられてないだけなのか。
LGBTQにオープンな結婚相談所などもありますが、私は別にトランスジェンダーとして結婚したいわけではないんですよね。
色んな結婚相談所に問い合わせたわけではないので、探していて見つけた情報にはなりますが「活動の際には備考欄にGIDであることを記載する」「嘆願して活動を許可してもらった」などとあることから、最初の段階で記載をお願いされたり相手へカミングアウトする可能性が高いんだろうなと。
トラブルは避けたいだろうし理屈は分かりますが…。
これも中々理解されない感覚なのですが、私は身体が普通と違うとは思ってるけど、性的マイノリティのくくりで自分を考えることにしっくりきていません。
そもそも「私性同一性障害の人間です」って言いながら婚活をして、「この人、元女性なんだ」と思われながら最初に話したりするのが普通に嫌ですね。
普通に服を着て生活してたら、男性としか見られないのに、どうしてわざわざ話したこともない人間に一番知られたくない身体の事情をぶら下げていかないといけないんですかという。
あと、GIDであると伝えた時の「へえ~!男性にしか見えないです!」みたいな反応が地味に嫌なんですよね…。
百歩譲って男性じゃなくてももう女性でもないよ。どれだけパスして埋没してても、出生時の性別ベースで考えられるのが苦痛すぎる。
ちなみに次に恋人や結婚相手を見つけるのはSRSが完了してからと決めています。
そうすると戸籍上の性別と社会的な性別は一致しているし、結婚してから性別を移行しようというわけではないので何ヵ月の期間と何百万の金額をかけて手術する予定もなければ、性別を理由にして就職活動に難があるわけでもないわけです。手術のせいで貯蓄はかなり少ないですが………
それなのに、私の性染色体がXXだったばかりに“女性同士の恋愛や結婚”として落とし込まれて考えられる可能性を考えるととてもつらいです。
そうなったらそうなったで仕方ない!と思えたらいいのですが、恐らくそうは思えないくらいには自分の中でGIDがコンプレックスとして大きすぎます。
そもそもですが
GIDの恋愛と調べて、トランスジェンダーの話ばかり出てくるのやめてほしいというか………
だって、実際戸籍変えて体も変えられるところまで変えました!って人が、一緒になりたい人にGIDであることを告白したとします。
相手も今どきなら多分ググったりするじゃないですか?その時に調べたらほぼほぼ間違いなく性同一性障害ではなく、トランスジェンダーが出てきますし、結構な確率で同性愛と同じ括りにされてます。
それでその形をイメージされると結構私はイヤですね。相手自身はよくても、あまり会ったことのない相手の両親などから、同性愛的なトランスジェンダーとの恋愛をイメージされて変な誤解をされたりするのも面倒じゃないですか。
私にとってGIDであることは墓まで持っていきたい秘密だけど、誰かと籍を入れたりするなら隠すわけにはいきません。
戸籍に特例法適用と改名は書いてますからね。あれもわざわざ絶対に消えないシミみたいにしなくてもいいと思いませんか??裏で記録を残すのは当然としても。事情はあるんでしょうけど、当事者の感情としては納得いかないですね……
私は一応「◯女から◯男に(◯には長とかニとか三が入る)」という一文をなくすために本籍を移しましたね。
あ、改名や特例法の適用の部分をコンパクトにするだけなら転籍すればできます!
特例法を適用されたらどうせ勝手に分籍されるので、その後に転籍すればコンパクトになりますよ。
親の戸籍(除籍謄本ではありますが)には娘で残ってるんだろうなとか、そんなことまで考えて嫌になります。細かい性格ですね。
考えれば考えるほど、早くこの世から自分の戸籍消えないかなと思いますね。何事もなく静かに死んで、この体をさっさと灰にして、早く誰からも忘れ去られたい。いつだって自分の存在が何より辛い。
じゃあ結婚を望むなという話かもしれませんが、支え合う人が要らないというわけではないんですよ。
早く消えたいとは思っていても、願って消えられるわけではないので、将来どうすごしたいかは考えています。
そうなった時に、やっぱり結婚したいなと思うわけです。
小さい頃は結婚して子沢山という将来の夢をよく語っていました。
後者は無理だけど、前者は叶えてみたいなって思うのです。
一応子どもを迎え入れること自体は無理じゃないことはないけど、私の精神的に多分難しいと思います。自分の人生がやっとそれっぽい形で手に入ったのにこの後最低でも20年弱を他人に費やすビジョンが見えません。
ついでに本当に戸籍を自分の代でぶった切りたいので後続者は今のところ欲しくないです。
自分の将来がどうせあるなら少しだけでも快適にしたいというのが今の私の行動原理です。
叶えたくても叶えられない夢がたくさんある人生だけど、何もない人生だったとは思わないようにしたいですね。
色々話は逸れましたが、性同一性障害当事者にとって戸籍変更はゴールではなくスタートですし、その先の苦労も存在すること、そしてその苦労はより部外者からは分かりづらくなります。
本当に世間が“トランスジェンダー全般”に対して理解を深めたいならぜひ身体的な違和が深刻で一般的にイメージされるトランスジェンダーとは悩んでる点も違ってきている性同一性障害、トランスセクシャルに対しても目を向けていただきたいなと思っています。