初めましての方もそうでない方もこんにちは。

まず私の簡単な自己紹介から。


  • 中学生の頃に性同一性障害(FTM)であることを自覚
  • 17歳で改名、ホルモン治療を開始
  • 18歳で胸オペ
  • 大学生から埋没生活を開始
  • 20歳で内摘
  • 21歳で戸籍を男性に変更


今回は実際埋没生活をしていて感じることなどを書いていこうと思います。

個人を特定されたくないので、具体的な話は少なめです。……が、その割に長いです


今後ホルモン治療を検討している、ちゃんと埋没して暮らしていけるのかな、などと考えている方への参考になればと思います。


また、私はトランスジェンダーの中でも、性同一性障害(トランスセクシャル)であるか否かを考える、把握することが本人にとってもより良い選択をする助けになると考えていて、その一助にもなれるよう書いていこうと思います。



私なりの解釈にはなりますが、それぞれの言葉の違いを書いた記事です。


トランスジェンダーという言葉が浸透していますが、トランスジェンダーの中には性同一性障害(GID/トランスセクシャル)である人もいます。

そしてGIDにはホルモン注射や外科的処置、戸籍上の性別変更など不可逆な要素が絡み、それを望むか否かの選択をすることになるかもしれません。


私には後悔するという感覚は分かりませんが、トランスジェンダーの中には自分をGIDだと思って治療を進めたものの、理想と現実の差に後悔する方もいるそうです。


ホルモン注射数回ならまだしも、何年もホルモンを打ってしまったり、外科的な処置をした後では後悔しても遅いです。


なので、あえて元から男っぽかった私が「男っぽい女子」として過ごしていた時のことも踏まえて、治療して埋没して思うことを書いていこうと思います。



 


私自身の外見は、こちらでも書いた通り顔と声が元々かなり男性的でした。

身長は日本人の成人男性より若干低いくらいです。私より背が低い男の友人や同僚もたくさんいます。

肩幅も男性の平均より広く、多分FTMとしてはかなり恵まれている方です。

それも踏まえて読んでもらえたらと思います。



ただし、自分のこの外見は一切自慢ではないです。

なぜなら私は自分のことを男性と認識しているので、身長が平均弱くらいあってメンズ服が問題なく着られる体型なのは当然なんです


まあ「完璧に男に見えるなんてあり得ない!」と言われそうなので一応補足しておくと

尻が大きめとか、細さの割には内腿に肉が付いてるとか、手や手首が細いなどの純男らしくない特徴はあります。

仮に純男とボディラインが見える服を着せられた状態で並べられて、FTMを当てろゲームをされたら高確率で指名されるんじゃないでしょうか。


私はパス度の上げ方を考えたことがないのですが、身長が高くない方がパッと見で男性だと認識されやすい外見を考察すると

肩が狭くて尻が大きい男性はほぼ見ないので、肩周りをガッシリ見せるのはひとつの手かと。

あとは詳しくないので具体例は挙げられませんが、頭の形と顔のパーツを見極めて髪型を決めるのも大事でしょう。

(尼さんは頭を丸めていても女性だと分かるように、特にホルモンをしていない,ホルモン歴が浅い場合は必ずしも短くすればいいというものではない)


ポイントを押さえてパッと見の印象で「この人どっちだ…?」と思われ、疑いの目で他の部分をジロジロ見られることを避けるのを目指すのが良いと思います。

身長が160に届かない純男も普通にいるので、その人がなぜパッと見で男性だと認識できるのかを考えるといいかもしれない。





脱線しましたが

私は日本人女性基準だと背が高いです。なので、高校生の頃は背も高くてボーイッシュな女子として、それはもう女子に持て囃されました。

冗談で「あたしの彼氏~」と言われたり、本気で付き合ってほしいと後輩女子から言われたり。男みたいな扱いを受けていましたね。


じゃあその頃は女子にモテモテで嬉しかったでしょ?と、思われた方もいるかもしれませんが、全然嬉しくなかったです。(ちなみに恋愛対象は女性です)

そんなの、モテているのは自分が女子だからじゃないですか。性格の問題もあるとは思いますが、楽しめる状況ではありませんでした。


特に高校生など若い女子には「背が高くてボーイッシュな女子が女子にモテること」が、よくある現象だと聞きます。

その状態が心地よくて、女扱いより男扱いをしてほしい→トランスジェンダーかも?という流れもあると思います。

それがGIDであると気付くきっかけになる可能性もないとは言いませんが、あくまでトランスジェンダーであるパターンも多いと推測します。


それは一旦置いておくとして、私は大学生になってからは誰からも男子として認識されている状態になりました。

至極当然ですが、女子からの「背が高くてカッコいい」といった、さながら王子様扱いのチヤホヤはなくなります。

人によっては男としてモテる可能性もありますが、男として好意を寄せられるのと、あのチヤホヤで向けられる好意って多分毛色が違うんですよね。


たとえ女子の中で王子様だったとしても、男として見られていれば男の土俵で戦うことになるので、基本的に良くてただの普通の男です

背もそうだし、ホルモン治療を数年続ければ治療前の中性的な顔立ちや雰囲気も消えます。かといって男らしくカッコよく変化するとも限りません。

最終的な到達地点が、チビデブハゲのオッサンみたいな存在かもしれません。


これが嫌だと感じる場合、少なくとも今はGIDとして治療、埋没して生きる道を模索するのは考え直した方がいいと思います。




見た目のパス度に悩んだことがほとんどない私ですが、自分自身が完全に馴染むには5年くらいかかったと思います。

まあ、見た目が見た目なのでお風呂イベント以外は問題なく過ごしています。


幸いにも、悪ガキの進化版みたいなノリの男友だちはいなかったので、急に生々しいお下品な話題を振ってきたり、突然股間を狙われることはありませんでした。


最初から普通に話すことはできていたと思いますし、男性として扱われることへの違和感はありませんでした。

しかし、なぜ心から社会に馴染んだと感じるまで5年ほどかかったと言いますと

SNSも含め、話しやすい相手の割合が最初は女性が多かったのですが、いつの間にか男性が多くなっていました。

言語化しにくいのですが、女性が自分にはよく分からない存在だと思うことが増え、自分が立っているところは男性、あっち側が女性だと漠然と直感的に感じるようになりました。


性自認が男性として確立していても、社会的に男性に帰属意識を自然と持てるは別問題であり、性格や今までどう過ごしてきたかなどで個人差が大きいと思います。

例えるなら、生まれてからあまり他の犬と関わってこなかった犬を、大人になってから犬の集団に放り込んでも慣れるまでに時間がかかる場合が多いといった感じかな…?

確かに犬だけど、犬社会での立ち居振舞いは学べていない状態みたいな。


私の場合は、居心地の悪さは感じつつも中学高校では女子のコミュニティーで過ごしていました。

ちなみに幼少期は友だちが全然いなかったので、男子女子どちらのグループにも属していませんでした。

そんな状況で、まあまあ内向的で悲観的な性格の私はゆっくり男性に帰属意識を持つようになり社会に馴染んでいきました。


言葉にすると、私は男性としてしっかり社会生活を歩めていないのに戸籍変更に踏み切ったと捉えられかねませんが、最初から女性のコミュニティーに女性としているよりずっとしっくり来ていましたし、また、戸籍変更されてより馴染んだ面も大きいです。




社会的に男性として埋没するようになって10年以上が経ち、苦しかった頃を思い出しても過度に暗くならなくなってきたので、昔を思い出しながら色々と書いてみました。


いきなり0から100で埋没したパターンなので、徐々に……という方にもまた参考にはならないと思いますが……

ちなみに高校で男子の制服にするか、親に聞かれたのですが、イロモノとして見られたくなくてやめたんですよね。

上の学年に男子の制服を着ているFTMの先輩がいたので、学校としては可能でした。

ただ、その先輩を見ていても、いつも女子の友だちといつも歩いていて、更衣室やトイレも女性教師用の場所、部活も女子の中でやっていたため、どうしても“男子の制服を着た女子生徒”という印象でした。

その先輩がどうとかではなく、うちの学校の高校生としては男子としての立場を得るのは不可能と理解して、性同一性障害の人だと思われるのも嫌な私は我慢することを選びました。



最後にもう一度言いますが、それぞれが抱えるGIDの状況は全て個人差が大きいです

外見、性格、周囲の人間…全ての要素が絡んで決まることなので、私が書いた話に自分の状況に近い内容があっても、あくまで参考程度に。



記事が高確率で長いですね。

読んでくださっている方いつもありがとうございます。




あと、メッセージ機能がポンコツになっていて何故か上手く送信できないので、メッセージのお返事少々お待ちください…時間を空けて再チャレンジします…