手術代について考えていて、昔言われて今もどこかで引きずっていることなどを書いていきたいなと。
まず手術代の話
今回(陰茎形成の準備手術+陰嚢部分の修正手術)で、アテンド代込みで110万円ほどかかるわけですが…
次回の陰茎形成手術は300万円くらいかかってもいいように考えておいてほしいと言われたわけですが…………新車買えるじゃん……
冷静になったら人生が辛くなってくるので負けなんですけど
この高額で過酷な手術は基本的に人に話すような手術じゃないし、一部の当事者から見ても意味のないことを…と言われることなんだと考えると虚しくなってきますね
これからの人生はあるけど、何者としても過ごせなくて人に思い出を共有することも厳しい10代までや、手術のためにお金は貯めないといけないけど手術があるから気軽に年単位のキャリアを積めなかった20代は絶対に戻ってこない。
私がもし性同一性障害じゃなくても、他の病気でキャリアや金銭面では似たような状況になっていたかもしれないけど、性同一性障害は分かりやすく『病気』ではないからより理解は得にくい。
全部終わったら、切り貼りした体と、健常者への嫉妬がずっと消えない心に何か待ってるのかな。
私が10代の頃、親や精神科の先生、その他色んな大人に「お前は絶対に本物の男にはなれない」と強く念を押されてきました。
自分の体への不快感を表に出していたら「どうにもならないんだからいい加減にしろ」と母親に叱責され、その後に「産んでごめん」と言われたことも、少しずつ心をすり減らしていきました。
それからはどれだけ辛くても辛い気持ちを吐露することは一切やめました。
純男になれないのは分かっていて、一番苦しいことを何度も言われるのは本当に苦痛で、多分今もこの時のことをずっと引きずっているように思えます。
きっと今でも、自分が全部偽物で、生まれてきてはいけなかったと思ってます。
私にも得意なこと、苦手なことがあって社会の歯車としてそれなりに生きていますが、「GIDである」ことが埋没していようとコンプレックスでずっと苦しいです。
ずっと自分の人生を生きている気がしなくて、痛いこととか辛いことでは直に傷付くのに、嬉しい言葉や幸せなこととかは自分のことではない気がする。
生きてはいけないなんて周りの人は思ってないのは分かっていても、自分自身が自分の存在をまだ許せていないんです。
誰のせいでもないのが分かっていたけど、周りは厳しい言葉をかけてくるから、もう自分自身を責めるしかなかったんですよね。
現実を突き付け過ぎるのは場合によっては危険だと考えていますが
ホルモン治療やSRSに高すぎる理想を抱いて失望する危険性はあるので、甘い言葉だけをかけるべきとは言いません。
それによって逆に鬱状態に陥ったり、自ら命を絶つ例もあるくらいですからね。
しかし、傷付いてる10代やそれ未満の子どもに対して適切な精神ケアをせずに、治療や社会の現実だけ浴びせるのは危ういと私は思います。
だって、私にはシス男性になれないから手術をしないなんて選択肢はなかったのです。
アラサーになって気付いたことですが、10代までに言われた言葉は意外と深い傷として残ります。
大人になってから言われたこととは全然重みが違います。
大人の感覚ならそこまで気にならないようなことでも、子どもは重く受け止めるかもしれません。
もしこの記事を、GIDやトランスジェンダーである(もしくは、そうかもしれない)子どもと接する機会のある大人が読んでいたら、言葉選びや話の進め方は慎重にしてほしいと切に願います。
まだ治療に駒を進められない10代の人が見ていたら、難しいかもしれないけどあなたのことを常に否定する大人の言うことは信じすぎないようにしてください。
大半の大人は子どもが思ってるより賢くないし、あなたのことを分かってなんていないかもしれません。
私は今後も現実で声を上げたり、助けを求めることは恐らくなくて、このまま死ぬまで自分を密かに責め続けながら健常を装っていくと思います。
何が正しいかなんて分からないけど、今GIDやトランスジェンダーにライトが当たっていることが、良い方向に進みますよう。
適切な理解を得た上で治療を進められる人が増えますようにと、どこかから祈っています。