潜水艦ウォータージェット推進の誤解 | 言いたい放題、言いっぱなし

潜水艦ウォータージェット推進の誤解

どちらも水を船の後ろに押し出して進んでいきます。


羽車で水を後ろに押し出すのも一緒

羽根の向きが違うだけ

SFで出てくる電磁推進ではない。


一般的にスクリューというのは皆さんが想像する扇風機です。

より強い推進力を得るために早く回すと水の粘性やそこに居ようとする特性のせいでプロペラ周辺で水圧の低下と上昇が起こります。圧縮による上昇では圧縮が作用する方向でも水の圧力が逃げるので水泡が起こるほどの影響がないのですが水圧の低下はプロペラから水が離れてしまうことが原因で起こるので大きな影響をもたらします。

そうなると高山で沸点が下がるのと同じ現象が起きて水が蒸発して水蒸気になる。

それが関知されやすいほどの音量を発生する=キャビテーション


自衛隊の潜水艦では能力的に海面付近でディーゼルエンジンを動かす状態でないと要領の関係でバッテリー駆動では短時間しか高速で移動できなかった。


高速が必要なのは敵から逃げるときと追うときです。

可能になれば生存性は上がるし、領海に侵入してきた敵がいる場所に駆けつけて撃退できます。

リチウムになったことで容積が減りより多くのバッテリが積め蓄電力が飛躍的に上がる新型では待ち伏せでなくても対応でき、より多くの敵に対応できます。




ポンプジェット、ハイドロジェット、ウォータージェットと呼ばれる仕組はジェットスキーなどでも使われます。

簡単に言えば羽根車が艦内に設置されるので大型化しにくいです。

しかし、艦内に有るということは何かに対応した機器も設置できるということです。広い取水口から狭めていくことで圧縮効果を使えばキャビテーションも起こりにくくなります。

水の中で手を動かすと全部水が動くわけではなく大半は手から溢れるような感覚を体験したこと有りませんか?


それがスクリュー方式です。

対してポンプジェットは逃げ道が排出口だけなので竹筒水鉄砲みたいな理屈になります。

潜水艦が早く動けば動くほど効率が良くなります。


つまり、自衛隊の潜水艦らいげいがポンプジエット式に変更されたのは低速で電力を大事にする潜水艦から高速で移動することも出来る潜水艦に進化したと言うことになります。

潜航時間は非リチウムより大幅に増えているのでスクリュー式より潜水期間を多少短くしても速力あげた方がよいとの判断なんでしょう。


隣国では同じような大きさの潜水艦を作り垂直発射式ミサイルシステムVLSを搭載しているから日本の潜水艦を越えたんだという意見もあるようですが、そのミサイルで何を攻撃するの?

日本の潜水艦も水平発射型ミサイルは撃てるのです。

近距離の水上艦は魚雷を使います。

遠距離の巡航ミサイルこそがVLSの役割です。