お知らせが続きますが、11月11日~12月17日に明治大学駿河台キャンパスの博物館で「明治大学とシェイクスピア」という展示会が開かれます。

劇作家として民藝と関わりが深い木下順二さんも明治大学で教鞭を取っており、又、シェイクスピア作品の翻訳を行っているということで、取り上げられています。

わたしも民藝で「夏・南方のローマンス」「白い夜の宴」と二つの木下作品に出演しましたが、民藝入団と同時に「もうわたしはシェイクスピアやらないんだろうな」と思っていたので、あれ?っと、どこかはっとして、木下先生(わたしはお会いしたことはないけれど、民藝ではみんなそう呼ぶのでわたしもそう呼んでいる)がシェイクスピア翻訳について書いたものをばらばらと読んだり。

木下作品は、稽古の間は果てしなく遠く、そびえ立つ壁のように感じられますが、沢山の言葉に触れるうちに、木下順二というひとが一人の人間として考え考え生み出した結晶として見えてくるようでおもしろい。
と同時に、そこに対等に立てる役者、人間とはどんなものかと、もどかしいのです。もっと血の通った「先生」にしてゆきたいものです。

と、話が木下先生に集中しましたが、展示会は「明治大学とシェイクスピア」ですから、
他に、唐十郎さん(こちらも明大の先生、著作に『シェイクスピア幻想』)の名前が並び、明大主催で年に一度上演されるシェイクスピア上演に縁のある青木豪さん、谷賢一さん、原田大二郎さんと続きます。明大とシェイクスピアはあらゆるひとを繋ぐのですね。

今年の明大「ロミオとジュリエット」はもう満席のようですが、ここからまた一人、演劇人が生まれるのでしょうか。

途切れがちな「わたしとシェイクスピア」も、明大が繋いでくれて、また進んでいくことがあるのだな。
もうすぐ初舞台「オセロー」から14年です。