今さらか
と言われそうですが、
吉本ばななさんの『キッチン』を読みました。

去年、司書の先生が、「図書の分類の問題を出したら、『キッチン』を料理本と勘違いした人がいた。『キッチン』くらい…」とおっしゃっていたのを思い出して。3冊で200円の古本の内、栄えある1冊に選ばれたわけです。

ストーリーは置いといて
この透明感が好きです。

同じ吉本ばななさんの『TUGUMI』の中には、お気に入りの文や言葉がちょこちょこあります。『キッチン』も、そうでした。

透明すぎて、食べ物の話が出てきてもあまり食欲をそそられない(笑)


吉本ばななさんは、本当に大切な人を失った経験があるんでしょうか。そうでないとこんなこと書けないし、書いてはいけない気がわたしはします。それとも身近な人を一人一人と失うことで、何か突き抜けたんでしょうか。人を一人失っても、到達する場所はそれぞれで、そういう感性が飛び抜けた方なのかもしれません。


今の時代、調べれば作者のことなんていくらでも分かるんでしょうが、こういうことを考えるときが好きです。美術館で一人の画家の作品をひたすら見ていくと、画家の人物像が見えてくるように、文体やいろんなことから、作者のことが垣間見えたりするから。

まして傑作は一瞬で画家の姿を見せてくれたりします。『キッチン』はそれに近いところにありそうです。


と、なんだか真面目に書きました。

本当は何も分かってないのかもしれません。

※次回公演!!
●○●きせかえできるねこちゃん第5回公演 芥川龍之介作品集#2「侏儒の言葉」●○●