昨夜、歩きながら
池尻大橋から三軒茶屋に向かっていると
男性が向こうから走ってくる。
普通のサラリーマン風の人なんだけど
なんか違和感を感じて見てみると
手に、カツ丼を持っている。
どう見ても、カツ丼。
ラップも被せてない、丸だしのままのカツ丼。
なんで!?
戸惑う私の横を
彼はそれを手に持ったまま走り抜けて行った。
なんでや。
なんで、カツ丼持ったまま走ってるん。
器もプラスチックではなく
陶器だった。
このことによって
お持ち帰り用のカツ丼を
我慢できずに食べはじめたことでは
ないことがわかる。
じゃあ、カツ丼屋さんから
持って逃げてきたのか??
でも悪い人じゃなさそうやから
お店で食べてる最中に
家から電話かかってきて
急遽、帰らないと行けなくなって
慌てて、持ってきてしまったのか?!
もしくは
落ちてたカツ丼、警察に届けるのか?
や、誰がそんなん落とすん。
落としたら器も割れてるやろし。
それに落とす人がいるとしたら
この人やろ。
じゃあ、、。
その時、一つの考えがよぎった。
ただ、持ってるだけ。
これはすごい。
カツ丼を手に持つことにより
固いスーツを親しみやすく見せる。
外しのためのカツ丼。
ワンピースにキャップとスニーカーを合わせて
外すように
スニーカーとキャップをの上を行く
スーツにカツ丼で走る。
外しの王。
ということは
朝、家からカツ丼を持ってきて
ずっと持っているのか?
仕事中は、手が開かないから
頭の上に丼を乗せてお茶目さをアピール。
スーツ着て、手にカツ丼を持って、
おまけに、走る。
それぞれ単体では普通の3つを
いっぺんに合わせるとこんなに目を引くのか。
(*走るという行動はこれまた考え出してしまう。
組み合わせによってはおかしいことになる。
お坊さんが走っていたらどうかな?
見たらいけないものを見た感覚になり
それが全速力だった日にゃ笑う自信がある。)
そもそも食べるためではなく、
お洒落としてカツ丼を手に持ったら変だなんて
誰が決めたんだろうか。
(変やけど。)
以前、事務所ライブで
ドデカビタミンCを飲んでいたら
お洒落な後輩の男子に
「誉子さん、それ手に持ってるの
ださいですわ〜」
と指摘されてから
(彼は小さなエビアンしか手にしないそう)
手にするものに一応注意を払い
長ネギを買った日など速攻で帰宅するように
していた自分が小さく思える。
そういえば、
服屋で働いている時、
腰の曲がった小柄なおばあさんに
ナイキのエアハラチを試着したいと
言われ、え!?まじで!?と思ったことを
思い出した。
ご購入には至りませんでしたが
ナイキのエアハラチを履いた
おばあさんの姿は未だに焼き付いている。
たしかに、街で
腰は曲がっているけど
足元ナイキのエアハラチの
おばあさんが歩いていたら
私は二度見する。かっこいい。
でもそれも
おばあさん✖️ナイキのメンズスニーカー
この組み合わせはないと
勝手にみんなが思ってる。
(私も思っている。)
sacaiのトップスにTOGAのパンツ履いて
焼き芋やってるおばあさんが
いても、おかしくない。
ボーダー着て可愛い自転車乗って
フランスパンを持っている人は
私は、それコーディネートに
ただ持っているだけやろと思っている。
カツ丼も、さらりと
クラッチバッグ感覚に持つことが
当たり前になるかもしれない。
(ならない。)
あのカツ丼持っていたサラリーマンの人
気になるなあ。
スーツで変なことするなんて
わたしの憧れの
イギリスのモンティ・パイソンみたい。
人に印象をこんなに残せるなら
私も
着物着て、すき焼きしながら、走ろうかな。
(ただの、お正月や。)
近所だろうし。
つぎ会ったら話しかけてみよう。