lock-on G様
2度目のコメント失礼します。
そしてここまで来て下さったのでしたら、大感謝です。
では早速ですが、コメントします。

↓こちらは1度目のコメントです。情報として乗っけてます。流してくださいませ。
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新人時代から思っていたことですが、インコースはかなり強いと思います。特に手の届く範囲での落ちるボールは逆に手が伸びる分、長打も期待できます。ただ、インハイとインローのボール球に手を出してしまうのも得意ゆえの弱点ではありました。去年途中から、この部分もかなりファールで逃げる技術を身に付けているというのが、私の感覚です。

また、独特な踏み込み方をするため(円を描くようにタイミングを探す)対応力が高く、上手く踏み込んできます。それ故に、インコースのボール球で身体を浮かせて踏み込ませないという対策がなされているのだと思います。なので、インコースのボール球はかなりの頻度でストレートになっていると思います。
インコースが苦手な人は、身体の捌きが出来ていない・上体で打ってしまう、その他にボールが見えていないというパターンがあります。長野選手はどれにも当てはまらずデッドボールは653打席で1。立ち位置もありますが、ボールが良く見えています。

来年も期待できる「非常に技術の高い選手」と言えると思います。
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下記より今回のコメントです。

概ね長野の評価が確定した感じなので、補足的なコメントです。
長野の1年目におけるスランプ(交流戦)は、かなり深刻なものでした。
立ち位置における弱点の指摘はオープン戦からありました。
当然その対策は4月から始まっています。

ですが、長野が好調を維持したのは、変化球への対応の良さです。
新人の打者が苦労するのはストレートの速さではなく、
プロの変化球です。大抵の打者は慣れるのに3年近く掛かりますが、
長野は直ぐに対応しました。ここはプロでも並外れたセンスがあることを感じた瞬間です。

では何故打てなくなったか。打ってもファールになる可能性の高いボールを研究され(インコースのシュートボール等)最後は外のボール球(スライダー系)で凡退するパターンを確立されてしまったことです。さらに、原の打撃指導により本来スエーを使用して打つ打撃を改造されたことが最大の要因です。原の指導は「後ろに体重を残して打つ」です。あらゆる球に対応しやすい(反応してしまう)スエーを完全否定することで、ボールを良く見極め、打てる球に手を出す考えです。

それが大失敗でした。それにより始動が遅くなり、軸がぶれ変化球すら差し込まれるようになる。打てる球が無くなってしまったのです。テレビ画面でもハッキリ分かるほど体重移動が出来ていないので「原!最後までチャンと指導しようよ!」と当時は良く怒っていたものです(笑)。この内容については後に立浪さんも雑誌で指摘していました。後は篠塚コーチと共にスエーへ戻し、プロの攻め方に身体が慣れ反応できるようになりました。結果として粘りが出て打てるようになったのだと感じています。

スエーという技術は基本的に内角への対応が難しい打撃です。そのためプロではあまり使用されていない技術です。その中で非常に上手く打っているというのが私の感想です。カウントを稼がれているのは事実と思いますが、ファールで逃げているというのも事実と感じます。恐らく一番インコースを打つのが上手いのは阿部選手と思われます。坂本選手も相当な技術です。この二人は日本屈指のインコース打ちで、他チームのどの選手と比べても同等の選手は稀です。苦手かどうかの秤として比べちゃダメ(笑)。彼らだって長野ほどに外の球に対応できているわけではないのです。とは言え阿部は外角も十分上手いといえますが。ブログの趣旨は「苦手なのか」なので、坂本より下手という比較対象の言葉が全てだと思います。稀代の名手が同じチームに2人もいては目立ちようがありません。去年まではラミレス(彼も屈指ですね)もいましたね。という訳で、プロの中で名手では無いけど上手い部類。数字が証明している通り、これが結論と自分では思ってます。

何より苦手なコースがハッキリしている選手が、首位打者の次の年に3割打てるとは到底思えません。この事実も証明のネタとして十分と思います。

ホームランの数、方向がインコース打ちの技術とは思っていませんが、コメの中にあったので一応触れておこうかと思います。長野は踏み込みの際、インステップ、スクエア、アウトと全ての踏み込み方をします。去年はスクエアが圧倒的でした。が、今年はインが多かったのではないかと推察します。というのも「1番」になったからです。今年はかなり「右打ち」のサインが多かったのではないでしょうか。逆に去年は「センター返し」のサインが多かったと推察します。今年を何故そう推察するか。それは・・・

1.プロ特有のどんな球でもヘッドを遅らせて、思い切り詰まらせて右に打つ打撃を殆どしない(ランナーを  進める打撃)。
2.インコースは引っ張るポイントと流すポイントがある。流すポイントの場合、アウトステップで身体を
  開いて、右方向でも強く叩くポイントを作る。また、右足を引いて引っ張るように右に打つ。この技術を
  ほぼ使用しない。

1はそのままの意味として、2ですが現役時の落合がインコースを右へ打つことをやっていました。長野も技術的に出来る土台がありますが、アウトステップを安定して使う選手ではないので、この技術自体が意味を成さないものとしています。

見ている限り、長野の中では「右打ち=右方向に打てる球を打つ」なのではないでしょうか。普通に打てば左中間に飛びそうなど真ん中の球でも結構右ゴロ決め打ちをしていて、違和感がありました。高い確率で、サインと思います。

今年はこの「待ち&方向決め打ち」が非常に多かったのではと推察します。最初は1番でサインが多く成績が下がりました。本人も1番の難しさ(制約・やることが多い)をコメントしていました。去年も多いのですが、今年は特にインコースの見逃し三振が多かったのではないでしょうか。粘るときはかなり粘るのに、この手も足も出ない感じが違和感となり、余計にインコースが弱いイメージとして残ったのかもしれません。新しい打撃に苦労したと思いますが、このスタンスで慣れた結果打率も四球も順調に上がってきたのだと思います。

正直、原のサインの多さは凄い数です。その為、自由に打てる場面が減ったことの裏返しとして、インコースを長打狙いで引っ張らなくなったというのが私の感覚です。3番を打っていれば逆にインコースを引っ張る打撃が増え、そちらの技術も向上したのではないか…。そう感じています。

最後に・・・
lock-on G様のように数字の説得力を用意できず、情けない限りです(涙)。感覚ばっかり(苦笑)。私は野球をやるにおいても、見るにおいても最優先すべきは洞察力と見て感じた感覚と思ってます。140キロでも打てる球と打てない球があります。それが何なのか。それを考えるのが一番面白いと思っている野球ファンです。ただ最近は自分の考えた裏づけとして数字を見ますが、lock-on G様のように上手には用意が出来ていません。インコースを3割打っていて苦手と言っても、何の説得力もありません。大変勉強になりました。これからもブログを楽しみにしております。


大変な長文にお付き合いいただき、
ありがとうございました。