藤本タツキ氏のマンガがアニメ化されたのは知ってたけど上映時間が短いと聞いて鑑賞が遅くなった。
マンガの方は面白かった記憶はあるが、
内容は忘れ果てている。
近年できた白山イオンシネマで初の鑑賞。
(でかいのでシネマを見つけるのにお店のお姉さん方に聞いた。「遠いけど左はし!」って親切が心に染みる年ごろ)
何とか間に合って座席に着いた。
小4の藤野は絵が得意。
学年新聞に掲載している4コマ漫画が級友に人気だ。
担任の先生に隣りのクラスの不登校の子のマンガも載せても良いかと頼まれる。
藤野は承諾するが不登校の子にマンガ描けますかねえと。
その不登校の子と自分のマンガが並ぶ。
藤野は息を呑む。画力が全く違う。
あれほど褒めていた級友も、
「藤野はふつう」と笑って言う。
藤野は絵の勉強に必死になる。
毎日描き続けてスケッチブックが束になる。
そんな夢中な日々が続く。
小6。
学年新聞が配られる。
藤野の絵は明らかに上手くなっている。
だがそれでも画力の差が明確だ。
藤野「や〜めた」
ギクシャクしていた女の子たちと遊び始める。
お母さんにスケッチブックの束を捨ててと頼む。
姉に勧められていた空手教室にも通う。
楽しい毎日。
そして卒業式。
担任に卒業証書を不登校の子に渡してほしいと頼まれる。
「ふつうに嫌ですけど」
(不機嫌な女の子の表情を描くのは藤本氏はうまい。アニメも忠実に再現している)
しぶしぶ引き受ける。
その不登校の子は京本という。
呼びかけても返事がないが気配がある。
扉が空いていたので入る。
物音が聞こえる部屋の廊下には物凄い量のスケッチブックが積まれて並んでいる。
自分の量と比較にならないほど。
ふと。
置いてある描いてない4コマ用紙が目に入る。
サラッと描き込む。
「あっ!」
ふらっと舞ってドアの下から部屋の中に入り込んだ。
卒業証書が入った筒を置いて藤野は逃げるように出る。
後から追いかけてくる少女。
「藤野先生❗️」
京本は藤野のファンだと言う。
背中の服にサインをしてもらう。
京本は最近藤野が描いてない理由を聞く。
「いやあ。別に。
マンガの構想を練ってる。
次の段階に進むためだよ」
2人の運命が変わる。
2人の共同作業が始まる。
中学生になっても2人は必死だ。
京本は背景を描く。
藤野はアイデアやキャラクターを描くのだろう。
(描くのは藤野の部屋らしい)
懸命な日々。
集英社にやっとできた一作を持ち込む。
(映画だと違う名前になってたと思う)
編集者に褒められる。
「少なくとも佳作は取るよ」
発表の日。
立ち読みで2人でページを覗く。
“準入選”⁉️
2人の作品は受賞し、100万円を獲得した。
2人は街に出て一日遊びほうける。
映画を観たり食べたり飲んだり。
月日は流れる。
次々と作品を出し続けて7作目。
編集から連載しないかと話が来る。
もうすぐ高校の卒業である。
帰り道。
京本が意外なことを言い出す。
「美大に行きたいの」
藤野は文句を言って引き止めようとする。
だが。
「絵がうまくなりたいの」
2人の道は別れる。
藤野は人気作家の道を歩き始めている。
京本は美大に通い続けている。
そんなある日。
藤野は絵を描きながらニュースに驚く。
美大に暴漢が凶器を待って侵入したと。
藤野は京本に電話するが出ない。
そんな時。
「おかあさん」の表示の電話が鳴る....
この後も意外な展開がある。
アニメ映像ならではのマジックもある。
哀切な喪失の物語り。
少し変わった情熱の青春。
だが揺るぎない意志があるのだ。
素晴らしいアニメ作品だと思う。
アニメにしたのは押山清高さん。
期待されている方らしい。知らないけど。
原作のマンガに寄り添いながら淀みのないストーリーに魅せてくれた。
実力があるのは歴然としている。
アニメを観た後、少しも覚えていないマンガを購入。(本の山から探してると季節が変わる)
違う話にしてるかと思いきやかなり忠実。
でも忘却していることに感謝❗️
少し短いかもしれないけどしっかり楽しめる作品です!
もしまだ上映してたらぜひ❗️