設楽原歴史資料館を出て。


戦いの現地を歩いた。



かなりの下り坂。

向かいに山があるということは。


資料館から河岸段丘を降りているのか。



設楽原の平地に降りる。


この広い平原の更に広範囲のアチコチに戦死した武将たちの碑がある。



その平原を横切って蓮吾川がある。




写真だと小川に見えるかもしれないが、

5m以上の川幅があるだろう。

これを超えるのは簡単ではない。


写真の奥に馬防柵があるのが見える。


段丘の向こう側が織田・徳川連合軍で、

手前の資料館側が武田軍が陣を敷いた。



馬防柵の近くに合戦の屏風絵図があった。




この絵の作者は現地を訪れて描いただろうと書かれている。

地理的に正確なのだ。



これは拡大しないとわからないけど。



蓮吾川が中央にあり、

その背後に馬防柵が二重にある。


右手の武田軍は騎馬が描かれ、

左手の織田・徳川軍は火縄銃が列をなして構えている。


初めの絵には後ろに三つ目の柵が描かれている。

極めて厳重な防備で、

絵を見ると戦いが山も越えて、2kmの柵の外からも行われたことがわかる。


現地で見ると愕然とするほどの広大な戦いだ。



再現された馬防柵が見えてきた。



こちらは徳川方の馬防柵の再現らしいが、

実際はもっと厳重だったのではないか。



向こうの丘に武田軍は陣を敷いた。



この解説だとここに三重の柵を築き、

背後にもう一重の柵を築いたとある。


つまり四重の柵を築いたのか。



三千丁の鉄砲と書いてあるな。



この辺りから織田軍の柵。


向こうから騎馬隊が押し寄せて来れば恐怖だろう。

今まで行われたことのない戦術なのだから。



織田軍が備えたのは柵だけではない。

乾堀も土塁も築いた。

おそらくは他にも様々なトラップを備えただろう。

狂気に近いほど完璧を期するのが信長である。


最強の騎馬軍団として赤備えの武田軍は恐れられた。

今まで予備的な扱いの鉄砲を全面に出して主力とした。

信長の戦略は成功するのか?



土塁に隠れて撃つことができる。


当時もこの平地は田んぼだった。

騎馬は脚を取られる。

だから四つの街道やあぜ道を中心に激戦となった。

2km以上の柵の外、蓮吾川下流からまわり込み織田軍の背後を突こうとした騎馬団もいたが、

そこにも織田軍の備えがいた。


再現は二重。

武田軍のいくらかは三重の柵も突破した。

だがその代償として武田の多くの名のある武将が命を落とした。


午前6時に始まった戦いは、

午後2時には終わった。

八時間の騎馬軍団への銃撃は成功した。


有力武将を身代わりとして武田勝頼は敗走したが、いずれ一族は絶えることになる。


信長は大きく天下布武に進むこととなる。



戦場となった設楽原を横目にして。


武田は約一万の戦死者を出し、

織田・徳川は約5千の戦死者を出した。


新兵器を最大限に駆使して織田信長は勝ちを得た。

彼はこの後も勝ち進む。

一向宗徒をも打ち負かして。


だが。

信長の栄光の影には常に多くの屍があった。

歴史には記されない庶民の犠牲を忘れてはならない。


近代兵器は常に“進化”し続けることも。


長篠城へは徒歩約一時間と出ている。

学芸員さんは雨でもあるしと電車を勧める。



そうでした。

この日のように雨が強ければ火縄銃は使えなかった。

雨まで武田勝頼は待てなかったか?


だが。

歴史に「もしも」はないのだ。

そう思いながら駅へと歩く。



【余談】

アルフレッド・ノーベルは不安定なニトログリセリン(「恐怖の報酬」で描かれてますね)を安定化させダイナマイトを発明した。

それは爆弾の破壊力を飛躍的に向上させた。


「死の商人」と新聞に書かれた彼は、

財産のほとんどを使って、人類に貢献した人を顕彰するノーベル賞を設立する為の遺言を残す。


ノーベルは武器としての破壊力はわかっていた。

彼は、そのあまりの破壊力は戦争の抑制になると考えた。


…だがそうはならなかった。


現在の原水爆。

人類を何度も滅ぼし得る破壊力は果たして戦争の抑制になるだろうか?


人類(科学者)はノーベルの後悔から学べるだろうか?


【更に余談】




台湾の地震から1日でプライバシーが守れるテントが設置された。

しかも冷暖房付きだと言う。


水は十分支援があり仮設トイレも多数。

食料も豊富に支援されている。


今も能登の体育館で段ボール雑魚寝8,000人とはなぜこうも違うのか?


台湾は能登以上の山岳があり、道路の寸断も多い。

多くのドローンで被災者を救出していると言う。


能登半島地震時にはドローンは禁止だった。

あれはやはり危うかった志賀原発を見られたくなかったのではないか?


これから暑くなる6月には仮設住宅は間に合わない。

熱中症で関連死が多く出るだろう。


アルピニストの野口健さんたちが懸命に頑張ってくれているけど、

日本は根本的に間違っているのではないか?


どこか別の方でつまらない予算を浪費していると思われてならない。


ともかく。

裏金議員の実態を何ら明らかにしないまま、

お座なりの処分で幕引きを図ろうとする自民党。


これを潰さないと日本国民は殺されてしまう❗️