オーケストラと狂言がどう融合するか。

(形だけに終わるのかな)

そうボクは懐疑的だった。



夜の音楽堂に来るのは珍しい。


初めてコンサートホールに入る。

(今までは全て邦楽ホールだった)



コートをクロークに預けて。

オレンジジュースのつもりがいつのまにか金沢麦酒になっていた不思議。


(味はまずまず)



綺麗に装った方々が多い開演前。



早めにホールに入る。

オケが座る席。

上にパイプオルガンがある。


初めに萬斎さんのトーク。

作品解説を含めて演奏者たちの紹介も兼ねて。


「どちらから?」と客席に。

「千葉から」とお姐さんの声。


少しどよめく。

わざわざ千葉から?

って雰囲気で。


第一部は藤倉大「筝協奏曲」

筝はLEOさんなる方。



初めて聞いた名前。


演奏が始まる。

どちらかというと筝が中心の曲。

演奏後半彼は筝の弦を叩くなど見たことない技を繰り出す。

まるでハープのように聴こえた。

彼の略歴にblue note東京でライブとある。


上原ひろみさんはハープ奏者と組んだ事があり、

それは見事なライブだった。

だから筝もアリかなと思われた。


休憩。

ご夫婦の声が聞こえる。

「わからないや」

(まあそうですね)


そして第二部。

ファリャ バレエ音楽「恋は魔術師」




ずいぶん稽古は積んだらしい。

だが舞台として成り立つか❓



舞台はスペイン・グラナダ市のサクロモンテ。

夫を亡くしたまだ若いジプシー女。

カンデーラを歌舞伎の中村壱太郎とメゾソプラノの秋本悠希が2人一役(❗️)

新しい恋人カルメーロは野村裕基。


2人(3人)が逢瀬をしようとすると、

死んだ夫の亡霊(野村萬斎)が現れる。

焼きもちをやいて邪魔をする。



秋本祐希さんが美しいのはもちろんだが、

中村壱太郎も女形として見事に美しい!

2人は違う形ながら整って舞う。


写真は上の階から亡霊として現れる萬斎。



秋本祐希さん。

この舞台では歌よりも踊りを主としている。


亡き夫は名だたる浮気者だった。

そこで2人はとりわけ美しいルシーアに亡霊を誘惑して欲しいと頼む。

(中村壱太郎が二役。この場面では秋本と離れる)


ルシーアは妖艶に誘惑する。

オーケストラが高く鳴らしたと同時に!

亡霊はルシーアに飛びつく。


バレエの踊りがオケと合うのはもちろんだが、

歌舞伎の舞も形を変えながらも美しく調和するのに驚いた❗️



歌舞伎のケレンのように赤い布が舞う。

周りを舞うのは狂言師と吾妻流の日本舞踊。


これが見事に舞台に映えるのだ‼️

それもオーケストラと高めあって!


ピタッと合って見得を切る。

息を呑んだ。

(言葉でなく本当に息を呑むものなんですね)



お話の結末はヒミツ。



しかしこの舞台なら千葉から来ても惜しくはないだろうと思われた。


本当に万雷の拍手で舞台は終わる。

満足そうな表情の方々が家路につく。


「萬斎のおもちゃ箱」はこれが2回目。

前回はボレロだったけど面白くなさそうな気がして見てなかったのだ。


迂闊だった!

観ときゃよかった!




この公演は3月に東広島や鳥取と続くそう。

ぜひご覧あれ❗️





少し以前の国税専門官募集ポスターがTwitterに出ていた。


「巨悪と戦うなんて、

ドラマの中だけの話。

だと思っていた」


そう募集したのなら巨悪と戦え国税庁‼️


(「マルサの女」を出しなさい!)