店の向かい側は浅野川である。


少し「滝の白糸」像を見に行こう。

前回は夜だったから。



溝口健二監督の「滝の白糸」では扇子の先から水が出ていた。

この像からも出るとも聞いたが見たことはない。

(スイッチはどこでしょう?)



“河は長く流れて向山の松風静に渡る処、

天神橋の欄干に凭れて”


この浅野川でも水芸をする時代があったのかな。


「義血俠血」が小説のタイトル。

青空文庫でも読めます。



浅野川にも幾つもの趣向のある橋が架かる。

ミステリーツアーもあるみたい。


「振り返ってはいけません」みたいな。



この橋を横切って。



金沢主計町の街並み。

茶屋町です。



馴染みにしている鮨むかい川。

以前は楽に入れたが、近頃は早めに予約を入れないといけない。


未だ若くて綺麗な女将さんと大将。

大将は雄弁ではないが女将さんは接客上手。



先ずは手取川を。


大将とサシでカウンター席に。

(後で客は来るけどボクはいつも開店して直ぐ)



マハタ。



ヤリイカ。



甘海老。



車鯛の昆布〆。



アジ。



ブリ。



ホウボウ。



メジマグロ。



梅貝。



芽ねぎ昆布巻き。



干瓢巻き。



美味しい海藻のお味噌汁をいただいて。



追加のハマグリ。


見るとわかると思うけど人を驚かすような寿司ではない。

珍しいネタを必死に出す店ではない。

ただ実直に先代から教わった鮨を貫いている。


先代から暖簾分けした店は多い。

だがこちらはいつのまにか先代とも違う味わいを持ち始めている。


「守破離」の言葉の「離」に成り立つあると感じる。

それはご夫婦2人の積み重ねですね。


値の張るネタは使ってないから、

お酒を含めて7千円しない。


それもまた道でしょう。


気持ちの良い鮨をいただきました。



浅野川沿いに。


「森口は川に面したガラス戸を開けると、

手すりに両肘をのせて、目の前の暗い並木の通りと、その向こうの浅野川の河面へ目をやった。

川は光った銀色の網を打ったように小さな白い波を立てて流れており、対岸の古風な家並みが舞台の書割のように黒いシルエットで浮かびあがっている。

付近の料亭で打っているらしい太鼓の響きが、風向きに応じて低くなったり高くなったりしながらかすかにきこえてきた」


五木寛之のリズムの良い文章が続きます。



確定申告しなきゃなあ。


そして2月20日は小林多喜二忌。