野村萬斎さんが中心となって開かれた催し。

様々な分野の方たちが集結する。



邦楽ホールへ向かう。



「がんばろう能登」が貼られていた。




初めて2階席から観る。


萬斎さんが舞台袖に現れる。

「長いトンネルを抜けられると信じて」

そう語る。


「二人三番叟」から。

笛と小鼓、大鼓の音が流れる。


そこに野村祐基さんと中村鷹之資さんがコラボして舞う。

狂言の祐基さんは形を重んじ、しかし見事にスタイリッシュだ。

歌舞伎の鷹之資さんはより動きが大きい。

躍動的。


だが呼吸を合わせるように同調もするのだ。

どちらが良いか。

とちらも良いのだ!

(2人は同学年だそうな)


幕が降りてしばらくして。

その2人とその父親が揃うスペシャルトーク。

狂言と歌舞伎との違いも語りながら。

その目指す道の先への共感を語る。


武家がスポンサーだった能狂言。

庶民や商人がスポンサーの歌舞伎。

だが共通項の多さを知るのでした。


場面は変わる。

雅楽の萬歳楽。

中国から異なる形で日本に入る。

この演目は“豊穣の祈り”がテーマだろうか。


篳篥や笙、笛や各種の鼓。

目に鮮やかな舞台と衣装。

「世界最古のオーケストラ」との紹介。


音がとても美しい。

舞は悠然として全く乱れがない。

(おそらく相当ハード)

注目して観た。


だけどわかんないなあ〜


休憩の後。

狂言「金岡」

あまり演じられない貴重な演目。

野村萬斎と野村太一郎の2人。


名のある絵師の金岡。

ある日、内裏の貴婦人の美しさに触れ恋に落ちる。

だがどうしようもない。

半ば狂乱して都を彷徨う。


心配する妻。

貴方は絵師ですから私の顔にその人を描いてくださいと。

金岡。

(そんな無茶な)という所作。

色黒だしというと白粉を塗れば良いと。


やむなく妻の顔に絵を描く金岡だったのだが…

(たとえ達人の絵師と言えど)


ユーモアと恋の悲哀が漂って舞台は終わるのでした。




2月9日は手塚治虫の命日でした。




金沢駅から出まして。



またも音楽堂へ。



PLOTOでは有りません。



あゝ記事が掲示されてました。



寄せ書き多数。



オーケストラ・アンサンブル金沢のメンバーも書いてるのかな。



恒例の春風亭一之輔さん。



今回は2列目真ん中あたり。

よく見えます。


しかし野村萬斎さんの時は若い方も多かったが落語となるとお年寄りが多いなあ。

平均年齢はボクよりも上だろう。


テレビの「落語ザ・ムービー」が人気となって若い方が増えないと未来が危うい。




幕が開く。

まずはお弟子さんが「牛ほめ」

かなり達者。

だが客席を見る余裕があまりないか。

自分の世界で精一杯にも見える。


でもまあがんばりました。拍手。


そして一之輔。

ハーゲンダッツの楽しみを語る。

冷蔵庫に残しておいた半分がない!

妻と長男次男長女を集めて。

「誰が食べたんですか⁉️」

長女13歳。

「あれお父さんのだったの!チッ❗️」


(反抗期ですね)


「加賀の千代」

「ふぐ鍋」

そして。

「薮入り」を語る。


どの演目も劇的なものではない。

でも客席が沸く。喜んでいる。

言葉ではなく一之助のパフォーマンスに芸がある。

食べる仕草。

譲り合う2人。

間と仕草と目線と。


満員の観客を掴んでいる。


薮入りで奉公から3年ぶりに帰ってくる息子の迎えにあたふたする夫婦。

そのトンチンカンさを表現する見事な芸。

親子の情愛をしみじみと感じさせてしまう。


万雷の拍手で幕が降りる。

(化けましたね一之輔さん)


もともと何人抜きもして真打になった俊才。

ボクも10年くらい観てきたが格段に伸びてます。

嬉しいことです。



今度はこれを観に来るかな。





もう君の夢をみないと
約束をさせられた日にみた君の夢

古賀たかえ