歌だけで映画は観てなかった。

今回病室のベットで観る。




こっちの写真で想像出来るように、

岩井俊二作品にしては珍しくアクション映画でもある。






この子は可愛かった。

アゲハという役名で伊藤歩さんという方らしい。

現在地は知らないけどね。


「円」が強い通貨だった時代想定。
アジア中心に各国から不法移民が集まり、街をつくる。

薬物
偽札
暴力
売春

などは当然現れる。


あらすじを書くのも野暮な気がするが…


偽札偽造データが入ったカセットテープを偶然手にする移民グループ。

それを手に入れようとする中国系マフィアと日本マフィアの抗争があり殺戮がある。


中国系マフィアのリーダーを江口洋介。

似合う。

グリコと名をつけた妹を探してもいる。

グリコ(CHARA)はアゲハを守る。

グリコの情けない恋人(三上博史)は仲間たちを束ねるリーダー。

(聞いたことあると調べたら原田知世の恋人役のカッコ良いスキーヤーだった)

「私をスキーに連れてって」


江口洋介さんは「東京ラブストーリー」から変わらない気がする。


なかなか豪華メンバーです。


カセットテープからシナトラの「マイウェイ」が流れ続ける。長く流れ、後でも歌われる。


(個人的には、この歌はあまり好きではないんだけど)



胸にタトゥーを入れるアゲハ。

幼いとも思える少女の胸にタトゥーを入れるのは罪深い気持ちになる。

それを狙いもしたのかな。監督は。


偽札造りで手にした金でライブハウスを立ち上げるリーダー。

グリコは見事な歌声で客が集まる。

メジャーデビューにもスカウトされる。

だが表に出ることは過去を消すことでもある。


リーダーは恋人を裏切り、

メジャー会社はリーダーを不法移民として切り捨てる。

グリコが売れるのに邪魔だから。




ライブハウスの看板を掲げた頃。

夢を見ていたころ。


人気が出たグリコ。

だが人気はスキャンダルを好む。

彼女の過去を探る三文記者。

(桃井かおりさんが演じる)



グリコやアゲハの仲間たちの住まいに中国系マフィアがカセットテープを奪いに暴力的に現れる。


壊滅すると思われたとき、

仲間に潜んでいた諜報員が見事な狙撃を見せ、

強力な火器でマフィア団を爆破する。


なぜ都合良く諜報員の凄腕がいたかは謎である。

(スナイパーは山口智子さん)




敵には命も奪うが仲間には優しい中国系マフィアリーダーはそこにはいなかった。


橋の上を歩くアゲハを呼び止める。

クルマに乗せてやろうと。

アゲハは断るがカセットテープを渡す。


ラストでやっとYEN TOWN BANDの聴き慣れた曲が流れる。

このリーダーはスナイパーに狙われている。

次の瞬間何が起こるかは想像に委ねて映画は終わる。



YEN TOWN BANDの曲は実際にヒットし、

ライブも開かれたようだ。


岩井俊二さんの昔の作品ですが、

けっこう面白いですよ。



映画自体はヒットしたのかなあ?

そうであってほしいと思わせるレベルの高さはある。


中学生くらいの伊藤歩さんが存在感がある。

CHARAさんは本当に娼婦に見える。

だらしない三上博史さんも良いのだろう。

江口洋介さんは江口洋介にしか見えない。

(それはそれで良いのだ)


「円」が強かった時代の映画なんですね。

架空都市のイメージは押井守のパトレイバーを参考にしたそうな。


日本アニメも偉大なのかもしれないね。


「スワロウテイル」

アゲハ蝶のように翔べたらいいな。