ボクの大学時代、
小田切秀雄教授は名物教授のひとりだった。
教えられた文学的な教養はほとんど忘れ去ったが、エピソードは覚えている。
徴兵を免れる為の方法を教わった。
その一。
醤油を一升瓶分飲み干す。
半死半生になるらしい。
(実際なくなった方もいたそうな)
そのニとかは忘れてしまった。
モハメド・アリみたいな行動も当時の日本では許されなかったろうから。
PLUTOのエプシロンも存在できなかった。
(アリはチャンピオンベルトを剥奪され、
ボクシングライセンスも失った。
でも彼の誇りは奪えなかった。
のちの公民権運動に繋がることになる)
(エプシロンも過酷な労役を課された)
小田切さんは三島由紀夫に、
「君も共産党に入りませんか?」
そう声を掛けたことで有名。
(どういうつもりだったかは不明)
さてその小田切秀雄さん。
ある日の大講堂で学生らに歌う。
(クリアアサヒの曲調で)
♪
君が代は代は
千代に八千代に
さざれ石の〜
踊れ天ちゃん!
歌え天ちゃん!
こ・け・の・むすまで
イェーイ❗️
振り付けも付いてた。
一同唖然としていたものだった。
そんなことを覚えている。
ボクとの関わりはもう一つあった。
アルバイトで東欧系のクラシック招聘元に通ってたから、
チケットが余る時に友人たちに配った。
観客が多い方が盛り上がるからね。
コンサートの後、とても喜んだ女の子に、
「また呼んでね」と電話番号を渡された。
それでそのうち電話を掛けると、
「はい。小田切です」
そう教授の声がした。
いったんは間違えましたと切ったものの。
電話番号に間違いはない。
夜の9時。
もう一度掛けて出てきた教授に名前を告げて電話を取り次いでもらった。
彼女は天真爛漫な声で嬉しそうに行くと言う。
電話を切ったあとで少し考える。
(どういうことだ❓)
しかしつまり結論は彼女は教授の家にいるという事だろう。
まあいいや。
と考えるのはやめにした。
三年になり友人の話では彼女は教授の後押しで都内の国立大学に編入したという。
まあそれも彼女の人生だ。
そう思ったことだった。
朝ドラでブギが人気なのでそんなことを思い出した。
(小田切教授も亡くなってだいぶ経つからこの話ももう時効だろう)
さてとたぶん明日退院。
一週間の予定がほぼひと月になってしまった。
上白石萌音さんの金沢ライブ。
野村萬斎の音楽堂での「山月記」。
ジブリパークのチケット。
キョンキョンのZeppナンバ。
そんな数々の苦労して掴んだチケットが枯葉のように去っていった。
「一瞬の秋」を病院の窓から眺めるのみなのでした。
右目が少し見えつつある。
少しでも元に戻りますように。
そう願う夕暮れなのです。
ふう😮💨
さてと。
お気に入りの歌人をふたたび。
えーえんとくちから
えーえんとくちから
永遠解く力を下さい
笹井宏之