「湖里庵」から景色も味わえます。


ここに至る長い物語がありまして。


「美の壺」という番組をご存知かな。


そこで日本の宿の特集がありました。

伊豆修善寺の能舞台のある有名な宿。


など各地の名高い宿が紹介されました。

そこで石川から「和田屋」さん。

個室の囲炉裏で焼く岩魚を特筆してました。

(もう鮎シーズンだけど)

(ここはMichelin掲載の宿でもあって。

文豪たちが泊まった歴史を刻みます)


さらに。

琵琶湖の幸の紹介。

そこは滋賀の人気店で2人からしか予約ができない。残念ながら。

そこでひとりで予約できる「湖里庵」さんに来たのです。

(ここも人気店ですよ)


瀬田の唐橋に伺った際に、

琵琶湖の奥の深さを少し覗いた。

更に探求🧐



サンダーバードで敦賀駅に。

そこから北陸本線に乗り換えてマキノ駅に降りる。


(映画のマキノさんとは何の関係もない。

残念ながら)



以前に一度、黄葉のメタセコイア並木を観に来たことがある。

それ以来になる。



町の紹介看板。


駅から徒歩20分ほど。

歩きますかね。




琵琶湖が見えてきた♪




楽しんでいらっしゃる。



アジサイかな?



陽射しは暑いのです。



今度は水辺の景観の紹介。



左手に寺を見る。




「近江湖の辺の道」



先ほどと内容が違う紹介。


「湖岸に約1.2kmにわたって続く石積みは、

江戸時代中期に波除けのために造られたもの。

住民が大切に守り続けてきました」


なるほど。

先ほどから石積みが並んでいる。



この石積みもその一部だろう。



二つ目の寺。

寺が多いのは、かつて栄えた証だ。



右手に新築中の寺かな?

ちょっと変だけど。


その隣りに。



蔵があった。



カフェのようです。

そこから少しで。



到着〜

でも早すぎたので湖を見よう。



店の横道を歩いて。



先ほどの公園のように歩くには広くない。

だが湖は綺麗だ。



かつての桟橋の跡だろうか。



どうやら各家の裏庭であるようだ。



お店の背後。

石組みの上に建っている。


道に引き返すと。



やはりかつては繁栄した港⚓であり、町だったようだ。



先ほどの蔵を覗いてると声を掛けられた。

「飲み物だけでもいいですか?」

許可が出て入ります。

(なにせ暑い)



蔵からも湖が見える。

女主人が嘆く。

隣りの金ピカのは寺ではないと。

以前は自分の家だった。

自治体から景観にそぐわないと言ってるが聞いてくれないのだと。


(困った人はどこにもいるなあ)


そしてお寺は10以上あるそうです。



スモモジュースをいただく。

けっこう美味しい。


お話で時間を過ごす。

金沢旅行は楽しかったと言ってくれる。


見送られて店に向かう。




実は「湖里庵」という名は遠藤周作さんが付けた。

(「沈黙」で名高い。映画にもなりました)


この店のファンだったらしい。

だから看板の字は彼が書いたもの。

(彼は別名は「孤狸庵」先生だった)


2018年。

この店は台風で全壊した。

だが蔵だけは残り、鮒寿司に欠かせない発酵菌は残った。

主人はこの地での再建を決意した。

2021年4月。

新たなスタートを迎えた。



店に入ると目を奪われた❗️


大きなガラス一面に琵琶湖が広がる。

「景色も味わえます」と主人は言う。


(ただこの舟は違反だそう。

各家から300mは立ち入ってはならないんだそうな)



この景色の辺りから月が現れる。

湖面に月光の道ができる。

カウンターで主人がスマホを見せてくれた。


夜の懐石は良いかも。



カウンター7席ほどか。

ボクは左端で他は若い女性たちのグループ。

ただ会話は穏やかで和やかなものでした。


他のテーブル席は一組のおふたり様。



これは膝にかけてもいいし持ち帰っても良いと。

(持ち帰った)



氷魚(ヒウオ)

鮎の赤ちゃんをそう言うらしい。


味が深い。

これだけで後は信じられた。



大きくすると見えます?



少し高級なビールを。



八寸。

泥落とし鮒寿司と仰ったかな。

ホンモロコ。

人参、手長海老、姫鱒。

他は忘れた。



スッキリしたのを。

そう頼むとこちらを出してくれた。

滋賀ので後味はスッと去る。

(お猪口は選べます)



京濁り。

だったと思う。


主人は吉兆嵐山店で修行されている。

人当たりの良い会話をされる。


(この辺りでお隣りさんが、

「お酒を注ぎましょうか?」と笑顔で。

「とんでもない!」と慌てて断る)



琵琶マス。

醤油も自家製だそう。


素晴らしいと思う。



鮒寿司餅と大根。


大根で包んでも良いです、と。


鮒寿司というものの奥の深さに驚かされる。

発酵文化を考えてしまう。

時が味を深める不思議。

醤油も味噌もお酒も発酵文化だけど。



若鮎の天ぷら。


桜の岩塩をつけまして。



大きくしてみました。


文句のつけようのない美味しさ。



鮒寿司のパスタ。

パスタが隠れています。


これもまた複雑な味が交錯する。




ちと写真を拝借。

この辺りの小学校の運動会はカヤック大会だと。

かなりの距離を往復するのだとか。

この店の前も通り過ぎてゆく。

(お子さんも参加したのだそうな)



お吸い物。

底に鮒寿司が潜んでいます。


絡むと絶妙な味わいに。



鮎の塩焼き。メインかな。


先ほどから話しながらじっくり炭火で焼いてらした。


普通は蓼酢を使う。

だがここではそうではない。


川の鮎だと苔を食べる。

だから味わいは強い。

対して湖の鮎は動物性プランクトン。

味わいは強くないからだそう。




今の時期はこれが精一杯の大きさだと。


少しも残しません。



鮒寿司茶漬け。

〆に入ります。


「美味しんぼ」で紹介されましたと主人は言う。

(そうでしたっけ?)


若い女性たちは「美味しんぼ」を知らないようでした。

あれは食の名作なんだけどなあ〜



大きくして。



氷の上にわらび餅が載ってます。

きな粉もつけました。



見えます❓


食事を終え、女性たちや主人に別れを告げる。


綺麗な窓からの琵琶湖を目に焼き付けて。

美味しかったなあ〜❗️



(帰りは駅までクルマを出してくれました)


さてついでに京都へ♪