ヘトヘトな日常で、疲れを癒してくれるのが映画だ。

映画情報は敢えて調べない。



劇場名が変わり、團十郎が付いた。


(しかし今の團十郎ではねえ)



今年のラインナップ。

聞いたこともない映画があるのが良い。



土曜の夕方に赴く。

窓口で530円。

(30円はなしにすれば良いのに)


しかし当時は127分の映画は長い方ではないかな?

(戦前である。

日本では1939年に公開されたらしい)



開演10分前。

この後観客が入り、10名ほどの観客。

大入りである。


上映間近で英語の会話が聞こえたから、

小松市の外国人家族が観に来たようだ。



キャプラは、

「或る夜の出来事」

「オペラハット」

それと本作で3度アカデミー賞を獲っている。


「スミス都へ行く」

「素晴らしき哉、人生!」

なども楽しかった。



さてと。


軍需工場でトップを取るカービー。

更に成長させようとライバル会社の工場の周囲全ての土地を買おうとする。

そうしてライバルを蹴落とす企み。


金に糸目をつけないのに一軒だけ立ち退かない。

何としても立ち退かせろと命じる。




その立ち退かない家族。

食事の前の祈り。


家族のリーダーの祖父は、妻の息遣いの残る家から去る気はない。


楽天的で、

自由奔放で、

風変わりな家族。


家で常に踊り出す孫娘。

常にタイプライターに向かい作家志望かもしれない娘。


困った人を家に住ましたりする。

使用人らしき黒人女性。


キャプラは金儲けしか頭にないカービーと対比されるために自由な一家を描いたのだろう。


(だが黒人女性が当然のように使用人なのは時代の限界かもしれない)




面倒を起こす同居人もいるけど。



税務署から税金を納めるように言われる。


「そのお金が価値のある使われ方をするのなら払おう。何に使われるのかな?」


「国を守る!

軍や軍艦はお金がかかるのだ!」との返事。



(ここちょっとハッとした。

マイナンバーカードで保険証を廃止する為に税金を払ってる訳じゃない。

軍事費を倍増する為に税金は払いたくない。


意思表示は大切だなあと思われた)


主人は払わないのだった。



そうそう。

こんなタイトル画面でした。



孫娘の2人はよく階段の手すりから滑り降りる。



カービーは自分の息子を副社長にしている。

その息子トニーは秘書のアリスに夢中。

そしてアリスは老人の孫娘だった。


(ちょっと都合が良すぎるぞ)


家族がいつものようにバタバタな所に、

カービー夫婦は息子に勧められてアリスの家を訪れる。



破茶滅茶なことになる。


そこへ警察官たちが踏み込んでくる。

反政府運動をしていると。

(カービーの命令に従った嫌がらせの告げ口から)


住み込み住人が製造している花火がわんさか炸裂して大騒ぎ。

カービー夫妻もろとも全員が連行されてしまう。



裁判。

老人を応援する人たちが多く集まっている。

新聞社が大きくカービーを報じる。


アリスは恋を諦め家を出る。

老人は孫娘の為に家を売ることを決める。



思い通りになったカービーだったが…

トニーは会社を辞めて家を出てゆく。

ライバル会社の社長は彼の卑劣さを訴え、

そして急死してしまう。

彼はかつてはカービーの友だったのだ。


老人はカービーに本当に大切なものは何かを伝えようと訴えた。または諭した。

カービーは、その時はもちろん受け付けなかった。


だが何か考え込むカービー。

むかし馴染んだハーモニカを持っている。




老人の家は引越しで大騒ぎ。

そこへカービーが訪ねてくる。

共通の趣味のハーモニカを吹くふたり。




アリスが引越しの知らせを聞いて慌てて帰ってくる。

トニーと出会い、初めはソッポを向いてたが、

カービーの笑顔で大喜び。

仲直りをして抱き合う若いふたり。


音楽が弾け、踊りの輪が広がる。





ちょっと結末に近づきすぎたかな?

この映画タイトルから「我が家の楽園」の訳だと相当に意訳ですねえ。


(映画の中のセリフで出てくる。

「天国にお金は持ってゆけない」

老人がカービーに話す場面に)



確実に時代の制限が垣間見られる映画だけど、

キャプラの常に訴えたいことなんでしょうね。


(しかし常に目の前で踊られては困ると思う😅)